アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入先のカナダやブラジルへの高率関税はこれから
Ground Beef Prices Reach Record Highs as Warning Issued
供給量が減ったことでアメリカでは牛の生体の市場価格も上昇しており、現在成牛は100ポンド(約45キロ)あたり200ドル超、子牛は400ドル近くで取引されている。テキサスA&M大学のデービッド・アンダーソン(家畜経済学者)がABCニュースに語ったところによれば、この状況を受けて多くの牧場主が、牛を繁殖用に飼い続ける代わりに売却して利益を確保しようとしている。
ピールによれば、牛肉業界の特性上、こうした供給不足を解消するには数年単位の調整が必要になるという。
「在庫不足を解消するには、一時的に供給をさらに絞らなければならない。牛は一度に1頭の子牛しか産まないし、繁殖させる牛は肉として出荷できない」
こうした長期的な動きに加えて、メキシコでの肉食バエ発生により、米農務省(USDA)は5月から数週間にわたりメキシコからの牛肉輸入を停止していた。
さらに、アメリカが牛肉を輸入する国々への関税導入も、今後の価格上昇リスクとなっている。USDAによれば、アメリカの牛肉輸入先はカナダ、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、ニュージーランドが中心だ。





