最新記事
EV

テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り...地獄から這い出せるか?

Tesla Sales Worst in Years as Americans Turn on Elon Musk

2025年4月3日(木)16時10分
テオ・バーマン
テスラ販売不振で崖っぷち...マスクは絶望的局面を打ち破れるか? Saketh-Unsplash

テスラ販売不振で崖っぷち...マスクは絶望的局面を打ち破れるか? Saketh-Unsplash

<販売台数が減少、プロモーション攻勢も実らず...かつてのEV覇者テスラが、逆風にさらされている。原因はCEOマスク氏の「政治色」にあるのか>

テスラの2025年第1四半期の販売台数が13%減少し、ここ3年ほどで最も悪い業績となった。背景には、イーロン・マスク氏がトランプ政権で果たしている役割に対する反発の拡大があるとみられている。

同社は1〜3月期に世界で33万6681台の車両を納車したと発表した。前年同期の38万7000台から減少しており、値下げ、無金利ローン、各種プロモーションなどの積極的な販売施策にもかかわらず、数字は落ち込んだ。

今回の数字は、2025年に入ってから顕在化しているテスラブランドに対する消費者の反発が、長期化していることを示す最初の明確な兆候となる。CEOのマスク氏は政治活動を急激に強めており、トランプ政権下で中心的な人物となっている。カナダ政策への賛同や、連邦予算の削減を主導する「政府効率化省(Department of Government Efficiency)」のトップ就任などが西側諸国での抗議運動を招いている。

テスラが発表した2025年第1四半期の業績報告によれば、販売台数は前年から13%減少した。この時期はちょうど、マスク氏がトランプ大統領の政権入りと同時に「政府効率化省(DOGE)」の長官に就任したタイミングと重なる。

2024年にはマスク氏が「販売台数を20%以上増加させる」と楽観的な予測を語っていたが、今回のデータはその見通しを大きく裏切る結果となった。世界的には電気自動車の需要は高まっているものの、テスラだけがこのトレンドに逆行しており、その原因はアメリカ国内にとどまらない反発の広がりにある。

欧州でも販売が落ち込んでおり、マスク氏がドイツやイギリスの選挙に干渉するなど、政治的な動きを見せていることが影響している。

日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日本の経済成長率予測を上げ、段階的な日銀利上げ見込

ビジネス

今年のユーロ圏成長率予想、1.2%に上方修正 財政

ビジネス

IMF、25年の英成長見通し上方修正、インフレ予測

ビジネス

IMF、25年の世界経済見通し上方修正 米中摩擦再
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 4
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 5
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 8
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 9
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 10
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中