最新記事
トランプ関税

トランプ関税「ころころ変わる」...不確実性にウォール街は悲鳴

2025年3月10日(月)13時51分
ニューヨーク証券取引所

3月7日、トランプ米政権の関税を巡る「朝令暮改」で、市場の混乱は増すばかり――。ウォール街の米株式投資家からはこうした悲鳴が上がっている。ニューヨーク証券取引所で2022年11月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

トランプ米政権の関税を巡る「朝令暮改」で、市場の混乱は増すばかり――。ウォール街の米株式投資家からはこうした悲鳴が上がっている。

トランプ大統領が就任した1月20日以降、S&P総合500種は4.3%下落。主な懸念要素の1つが関税政策で、経済成長を損ない、物価を押し上げる恐れがあるとの見方が多い。


 

金融サービス会社B・ライリーの市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「トランプ政権は関税で何か発表した後にそれを引っ込めることで駆け引きをしようとしているように見える。しかし今のところ有効に作用していない」と述べた。

6日にはトランプ氏がメキシコとカナダからの輸入品について、いったん適用を表明した25%の関税措置を一時猶予する大統領令に署名すると、ナスダック総合が2.6%値下がりし、昨年12月16日に付けた最高値からの下落率が10%余りに達して正式に調整局面入りしてしまった。

トランプ氏は関税によって国家収入が増加し、成長を加速させるとともに、外国と交渉する武器になるとみなしている。だが投資家は、そうした通商政策が消費者心理を悪化させ、企業の設備投資をストップさせかねないと危惧する。

GW&Kインベストメント・マネジメントのグローバル・ストラテジスト、ビル・スターリング氏は「これほど高い不確実性が存在する局面において、企業トップが示す経済合理性のある対応は様子見に徹し、意思決定を先送りすることだ」と解説した。

投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX)は6日、昨年12月18日以来の高水準に上昇した。

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米人員削減、11月は前月比53%減 新規採用は低迷

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始 27

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい

ワールド

ウクライナ南部に夜間攻撃、数万人が電力・暖房なしの
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中