最新記事
中国経済

AIやEVが輝く一方で、バブルや不況の影が広がる......ピークアウトする中国経済の真実

DECODING CHINA’S ECONOMY

2025年2月4日(火)15時45分
高口康太(ジャーナリスト、千葉大学客員教授)

newsweekjp20250204022902-eb6d6ef3834e47bdffc5c20648959a1d92b22186.jpg

自動車メーカーのBYDが韓国で開いたEVの新車発表会(1月) SEONG JOON CHOーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

EVでも中国は世界のリーダー

EVでも中国は世界のリーダーだ。昨年の販売台数は1287万台、世界市場の4分の3は中国市場が占めている(プラグインハイブリッド含む)。単に台数が多いだけではない。高い処理性能を持つ車載コンピューターと大型ディスプレイによって、動画視聴やゲームなどの車内エンターテインメント性能、アップデートによる機能追加も高く評価されている。また、ハイエンドのADAS(先進運転支援システム)を搭載する車が多い。今年発売されるEVの2割以上はレベル2+(プラス)自動運転に対応するとみられている。メーカーは事故の責任を負えないため、運転の主体は人間とするレベル2だと定義しているが、人間が介入せずに運転できる比率が高まっている。昨年には運転者のいないロボタクシー「アポロ・ゴー」の商用運行が始まった。

「未来の車」開発で、アメリカではテスラ1社が独走状態であるのに対し、中国では10社を超える企業が死闘を繰り広げ、競争の中で技術力を高めている。自動運転のレベルで中国勢がテスラに打ち勝ったとまでは言えないが、EVのコストダウンについては圧倒している。中国では既にガソリン車よりも安いとされるレベルにまで到達した。


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏インフレは当面2%程度、金利は景気次第=ポ

ビジネス

ECB、動向次第で利下げや利上げに踏み切る=オース

ビジネス

ユーロ圏の成長・インフレリスク、依然大きいが均衡=

ビジネス

アングル:日銀、追加利上げへ慎重に時機探る 為替次
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 8
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 9
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 10
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中