最新記事
アメリカ経済

勢い衰えない米株上昇...過熱の兆候も市場の大勢に逆らえず

2024年12月10日(火)09時05分
ニューヨーク証券取引所

12月9日、 米株価は高水準に達し過剰な投機の兆候も見られ、いつ調整があってもおかしくないと懸念されているにもかかわらず、年末に向けて上昇の勢いが衰える気配はほとんどない。ニューヨーク証券取引所で11月末撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)

米株価は高水準に達し過剰な投機の兆候も見られ、いつ調整があってもおかしくないと懸念されているにもかかわらず、年末に向けて上昇の勢いが衰える気配はほとんどない。

S&P500種指数は6日、終値で今年57回目の過去最高値を更新した。堅調な米経済、利下げ観測、トランプ次期大統領が公約した減税・規制緩和への期待を背景に、2024年は28%近く上昇している。


 

上昇の勢いは力強く、S&P500は13カ月以上、過去最高値から10%以上の下落を経験していない。これは過去3年近くで最長記録だ。BofAグローバル・リサーチによると、歴史的に10%以上の調整は平均して年に1回起きている。

インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「勢いこそが市場を動かす要因だ。現在の市場は基本的に貨物列車のようなもので、誰も邪魔をしたくない」と語った。

力強い上昇傾向にある市場に対し逆張りするのは歴史的に見てリスクが高い。ロイターがLSEGのデータを分析したところ、S&P500は1928年以降、2年連続で20%以上の年間上昇率を記録したことが5回ある。いずれの場合もその後の3カ月でさらに上昇し、平均上昇率は6.3%だった。S&P500は昨年24.2%上昇した。

株式をオーバーウエートにしているというカーソン・グループのグローバルマクロストラテジスト、ソヌ・バルギーズ氏は「勢いは勢いを生む」と述べ、誰も市場の大勢に逆らうような取引はしたがらないと指摘した。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

金利を変更する理由ない、政策は当面安定推移=スペイ

ワールド

仏上下両院合同委、予算妥協案で合意できず 緊急立法

ワールド

プーチン氏、「ウクライナ和平条件変わらず」 年末会

ワールド

トランプ大統領、ベネズエラとの戦争否定せず NBC
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中