鉄鋼大手は二酸化炭素(CO2)排出量の少ない生産体制への移行が遅々として進まず、一部の企業はエネルギーをほぼ全面的に化石燃料に頼っていることが、シドニーを拠点とする環境保護団体「アクション・スピークス・ラウドー(ASL)」が29日公表した調査で明らかになった。 

鉄鋼産業のCO2排出量は世界全体の7%を占め、インド1国に相当する。石炭を使う高炉の排出量は鉄1トン当たり2トンに上る。

 

ASLが世界の鉄鋼大手18社を対象に行った調査によると、再生可能エネルギーが利用可能な電気アーク炉や、石炭の代わりに「グリーン水素」を使う手法など代替技術が存在するものの、大手の一部は2022-─23年の化石燃料比率が99%に達していた。

18社のうち最も脱化石燃料が進んでいたのはスウェーデンのSSABで、再生可能エネルギーの割合が19%だった。半面、韓国の大手は取り組みが最も遅れており、現代製鉄、東国製鋼、ポスコの3社はいずれも再生エネルギーの割合がゼロかほぼゼロ。インドのJSWスチールと中国の宝鋼は0.4%だった。

報告書を執筆したASLのローラ・ケリー氏は、鉄鋼産業は排出量削減が難しい分野と見なされているが、実際のところ主な障害になっているのはコストだと指摘。輸入ターミナルやパイプラインなど化石燃料インフラに投資しているため脱化石燃料に魅力を感じない企業もあり、移行計画が進まず、戦略的に遅れを取っているとの見方を示した。



[ロイター]
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