最新記事
炭素クレジット

COP29、炭素クレジットの基準承認...世界的な展開へ前進

2024年11月12日(火)16時31分
アゼルバイジャンの首都バクーで開幕した第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)

アゼルバイジャンの首都バクーで開幕した第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)は、参加国が11日に国連が支援する炭素市場の炭素クレジット基準を承認した。写真はCOP29会場で11日撮影(2024年 ロイター/Murad Sezer)

アゼルバイジャンの首都バクーで開幕した第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)は、参加国が11日に国連が支援する炭素市場の炭素クレジット(排出枠)基準を承認した。

各国は気候変動対策資金に関する合意も目指すが、米大統領選でトランプ氏が勝利したことで合意への期待が弱まっている。トランプ氏は大統領時代に「パリ協定」からの離脱を決定している。


 

一方、メキシコの元交渉担当官で現在は炭素市場のソリューションを提供するアベイタブル(Abatable)に勤務するフアン・カルロス・アレドンド・ブルン氏は、排出枠の基準が承認されたことで、たとえパリ協定からの離脱を表明する国が出たとしても、炭素市場の運用開始に近づくことになると述べた。

国連が支援する世界的な炭素市場は早ければ来年にも発足する可能性があると、ある交渉担当官は述べている。

炭素クレジットは、国や企業が二酸化炭素(CO2)の排出を削減したり除去したりするプロジェクトに資金を拠出し、そのプロジェクトで得られたクレジットを使って自国の排出量を相殺することを可能にする。

CO2を吸収するマングローブの育成や貧しい農村地域でCO2の排出を削減する調理法の普及などがプロジェクトの例として挙げられる。

トランプ氏がパリ協定を離脱したとしても米企業は炭素クレジットを活用することで気候変動対策への取り組みを継続することができる。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 中国EVと未来戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月14日号(10月7日発売)は「中国EVと未来戦争」特集。バッテリーやセンサーなどEV技術で今や世界をリードする中国が戦争でもアメリカに勝つ日

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」鑑賞チケット2組4名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国株急落、米中貿易摩擦巡る懸念再燃で利食い売り

ワールド

米、ウクライナのロ領内エネ標的攻撃を支援 数カ月前

ワールド

金現物が最高値更新、米中貿易摩擦巡る懸念で安全資産

ワールド

中国、米の協議要請「保留」 レアアース規制巡り=U
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリカを「一人負け」の道に導く...中国は大笑い
  • 4
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 9
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 7
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 8
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 9
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 10
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中