最新記事

AI

分かってない人は情報収集、普通の人は楽するために使う生成AI デキる人のChatGPT「プロンプト」とは

2023年6月13日(火)07時14分
深津貴之(note CXO、THE GUILD CEO、インタラクション・デザイナー) *PRESIDENT Onlineからの転載
ChatGPTとのチャット画面。

ChatGPTの回答の精度を高めるためにはChatGPTに質問させることも必要だ。 撮影=ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


AIチャットボット「ChatGPT」が注目を集めている。どのように仕事に活用すればよいのか。初期の頃からChatGPTを"使い倒している"という深津貴之さんは「ChatGPTは、結構知ったかぶりしてウソをついたりするので、検索エンジンのように使うのはお勧めしない。しかし、コツを押さえて使うと、アシスタントのように使えて仕事にとても役立つ」という――。


ChatGPTは「確率で話す」

ChatGPTの最大の特徴は「コンピューター言語(プログラミング言語)などではなく、人間の使う言葉で命令でき、回答してくれること」です。

うまく使えば、仕事の効率化や高度化が実現しますが、そのためにはChatGPTにできることとできないこと、またChatGPTの得意なことと不得意なことを理解する必要があります。

まず覚えておきたいのは、「ChatGPTは確率でしゃべるマシンである」ということです。基本的には、こちらが入力した文章に対して、確率的に高そうな続きの文字をつなげるようにして回答します。ですから、「自分が望む回答が出てくる確率を最大化するにはどうしたらいいか」、あるいは「望まない回答が出てくる確率を最小化するにはどうしたらいいか」を考えることが重要です。

昔話を例に説明してみましょう。

「むかしむかし、あるところに」の続きは何か

たとえば「むかしむかし、あるところに」と書けば、その後には昔話が続くことが確率的に高そうです。ただ、これだけだと、どんな登場人物の昔話になるかはわかりません。

しかし、「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが」と入れると、続く文章の登場人物は、おじいさんとおばあさんが出てくる昔話に絞り込めます。さらに「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日おじいさんが山に行って」と書くと、「桃太郎」か「竹取物語」か、「おむすびころりん」などに可能性が絞れます。さらに「光る竹を見つけて」まで書くと、「竹取物語」である確率が高まります。

つまり、与える文章が具体的なほど、求めている回答を出せる確率が高まるのです。

ビジネスシーンで考えてみましょう。

「企画書を書いてください」だけの指示だとあいまいです。こちらが思うような、いい企画が出てくる可能性は低いでしょう。ですが、「新しく発売されるドリンクの企画書を書いてください」なら、ドリンクの企画書が展開されます。さらに「ターゲットは女性で」「日本で販売される」と、どんどん具体的にして範囲を狭めていくと、女性向けの日本の商品企画の文章が出てくる確率は上がってきます。

つまりChatGPTがやっているのは、連想クイズのようなものなのです。こちらが途中まで書いたものをChatGPTに渡して「この続きは、なーんだ?」とクイズを出したら、ChatGPTが続きを回答してくれる。ですから、自分の求めているものが出てきそうな、AI向けのクイズ問題を考えるといいのです。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領選関連の偽アカウントがXで増殖、3─4月に

ビジネス

中国不動産の佳兆業、清算審理が延期 債務再編へ猶予

ビジネス

デフレとゼロ金利制約との闘い、終焉視野に入った=内

ワールド

ICJのラファ攻撃停止命令、軍事行動の余地与えると
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    カミラ王妃が「メーガン妃の結婚」について語ったこ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 9

    胸も脚も、こんなに出して大丈夫? サウジアラビアの…

  • 10

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中