最新記事

ビジネス

元マイクロソフト役員が作った会社は「エクセル作業、原則禁止」 週休3日で年収3倍にした秘訣とは

2021年4月1日(木)19時20分
越川慎司(株式会社クロスリバー代表、株式会社キャスターCaster Anywhere事業責任者) *PRESIDENT Onlineからの転載

写真はイメージです utah778 - iStockphoto


「働く人々が時間に追われる世界をなくしたい」。元マイクロソフト役員の越川慎司さんは、そんな思いでクロスリバーを設立。以来、ITをフル活用してメンバー全員が週休3日を4年以上継続し、自身の年収を3倍にしてきました。限られた時間で成果を出すために必要なこととは――。

※本稿は、越川慎司『週休3日でも年収を3倍にした仕事術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

まずは「今週は何時間働くか」を決める

ここでいきなり質問ですが、あなたは「今週は○時間働く」と決めて働いたことはありますか?

私の時間は、すべてAIなどのITが管理しています。「1日の労働履歴」は様々な端末を通じて常にインターネットにつながっており、週の総労働時間、作業時間、アイデアを出すクリエイティブな時間、勉強の時間、メンバーとのコミュニケーション時間などを、ITツールによって管理しています。

また、その週に働いた時間が30時間を超えそうになると、AIによってアラートが出るようにセットしています。

まず必要なのは、どのように、そしてどれだけ働いたか、を可視化することです。

「だいたいこれぐらいの時間には帰ろう」「明日は早めに帰れるようにしよう」ではなく、一度、「今週は○時間しか働かない」と決めて、カウントダウン式に仕事を進めてみてください。

短時間で成果を出すという「目的」に、数値化したゴールを入れると「目標」に変わります。いま何時間働いていて、あと何時間残っているかを意識しながら働くと、驚くほど仕事の「無駄」がなくなるのです。

Excelの作業は原則禁止

われわれクロスリバーでは、すべての仕事の各タスクがどれだけの時間がかかり、受注額に対してどれだけの時給になっているか、すべて記録を取って可視化しています。「契約金額に対してどれぐらい時間をかけていいのか」「自分の能力を1時間でフル稼働させたらどれぐらいの稼ぎになるのか」といったことを意識することで、漫然と作業することを防ぐことができるのです。

世界に点在するメンバーについても、どのような作業にどれだけ時間をかけたかを見える形にしてありますから、どういった種類の作業が無駄なのかもわかるわけです。

例えば、Excelの作業は売上げには直結しにくいことがわかっています。PowerPointの資料作成も時間をかければ売上げが上がるわけではない、という相関関係も見出しました。

このことから、クロスリバーではExcelの作業は基本的に禁止としています。代わりにAIによる解析、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による自動収集と解析、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールによる取りまとめを行っています。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、円は日銀の見通し引き下げ受

ビジネス

アップル、1─3月業績は予想上回る iPhoneに

ビジネス

アマゾン第1四半期、クラウド事業の売上高伸びが予想

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任し国連大使に指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中