最新記事

市場

ESG、SDGsも関連して盛り上がる「脱炭素」 アナリストに聞いた注目銘柄

2021年2月1日(月)16時40分
安藤智彦(ジャーナリスト)

特に欧州でその傾向が強いが、「ファンドなどが環境に対する負荷の大きさなどに一定の基準を設け、それに満たない企業は投資対象から外すようになってきている」と、JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは言う。

auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジストはESG投資に加え、持続可能な開発目標(SDGs)にも目を向ける。

「ESG投資ファンドも誕生しているし、じきにSDGsの17の目標にどれだけ貢献しているかで投資対象を選ぶ『SDGsファンド』も出てくるかもしれない」と河合氏。「日本もその流れに従わざるを得ない」

ガバナンスが不安定だったり環境対応が甘かったりする企業は、株価が上がらなくなるということだ。「直近では(ガバナンスの問題もあって株価が低迷する)東芝や日産のケースが参考になるかもしれない」

ESG投資と、それを加速させるであろう脱炭素への動き。今後の銘柄選びの前提条件ともなっていきそうだ。

注目の日本株

レノバ(東証1部:9519)

2000年設立。日本各地での太陽光発電や秋田県沖での風力発電計画など、再生可能エネルギーの自社発電事業を主力とする。他社向けとして、再生可能エネルギー発電所の開発・運営も。2020年5月からベトナム中部での風力発電事業に参画。

magInvesting20210201decarbonizing-jp.jpg

本誌2021年1月12日号29ページより

注目の米国株

サンラン(NASDAQ:RUN)

2007年設立。米カリフォルニア州を拠点に太陽光エネルギーに特化した電力会社。住宅用太陽光発電と蓄電池を手掛け、米住宅太陽光発電パネル市場でトップシェア。2020年7月、業界2位のビビント・ソーラーを買収、規模拡大と成長を加速させている。

magInvesting20210201decarbonizing-us.jpg

本誌2021年1月12日号29ページより

※チャートは全て、上が株価(日本銘柄の単位は円、米国銘柄の単位はドル)、下が売買高(単位は株、Mは100万、Bは10億を表す)。チャート提供:TradingView

<本誌2021年1月12日号「2021年に始める 投資超入門」特集より>

(本誌特集では、この他に「バイオ」「デジタル化」「電気自動車」「企業再編」を注目テーマに選び、日米の代表的な銘柄をアナリストに聞いている)

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハセット氏のFRB議長候補指名、トランプ氏周辺から

ビジネス

FRBミラン理事「物価は再び安定」、現行インフレは

ワールド

ゼレンスキー氏と米特使の会談、2日目終了 和平交渉

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 6
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 7
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 8
    世界の武器ビジネスが過去最高に、日本は増・中国減─…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中