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日産「10年ぶりの戦略車」SUV型EV来年半ば日本から発売 ブランドロゴも一新

2020年7月15日(水)18時10分

テスラのSUVより「室内の広さは圧倒的」

65kWhと90kWhのバッテリー、2輪(2WD)と4輪(AWD)の駆動方式を用意し、航続距離は2WDの90kWh搭載車で最大610キロ。リーフでは初期型のユーザーからバッテリーの品質に不安の声が相次いだ時期もあったが、アリアは5年前後で車の寿命が来てもバッテリーは8割くらい残るようにしているという。気温に左右されずバッテリー温度を一定に保つ水冷式の温度調整機能も備えた。

EV専用プラットフォームを開発し、広い室内空間も実現。ベンチマークとする米テスラが3月発売したSUV「モデルY」に比べ、中嶋氏は「室内の広さは圧倒的に勝っている」と話す。モデルYは発売からわずか4カ月で3000ドル値下げし、4万9990ドル(約535万円)からとした。

東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは、最新技術を搭載したアリアは「再生のシンボル」としては好感できるが、「高価格で台数が出にくく、発売も来年半ばと気の長い話。業績への貢献は不明」と話す。

SBI証券の遠藤功治企業調査部長は「日産にもしっかりした技術や開発力がまだ残っており、非常に完成度の高い車だと市場にメッセージを届けられる可能性はあるが、今後、新型の『ローグ』や『ノート』を投入し、業績向上につながるような量販車が数車種出るのが理想だろう」と語った。

日産は他社が懐疑的だったEVをいち早くエコカーの本命と位置づけ、10年末にリーフを投入。先陣を切り市場を開拓してきたが、販売は想定通りに伸びてこなかった。いまや新興企業のテスラが台頭し、環境規制強化を背景に各社も開発・投入を急ぐなど競争は激化しており、新生・日産の力が試される。

(白木真紀 取材協力:田実直美、白水徳彦 編集:田中志保、青山敦子)

[ロイター]


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