最新記事

日本経済

新型コロナの緊急事態で「売れた」「売れなくなった」商品トップ30

2020年5月15日(金)10時25分
伊藤 歩(金融ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

新型コロナウイルスは、売れる商品、売れない商品にも変化を生み出した。写真は2月14日、東京で。REUTERS - Issei Kato

緊急事態宣言に伴う巣ごもりが本格化して1カ月。食料品や医薬品、化粧品など生活必需品の売れ筋は大きく変わった。

市場調査会社のインテージは、消費動向への新型コロナ禍の影響を示すデータとして、2月3日以降、品目別に売上金額の前年同期比の増減率を週単位で公表している。直近は4月27日公表の4月13~19日分だ。

ファミリー層の購買動向が大きく影響

増加率トップはうがい薬で、対前年比は359.1%。5位の殺菌消毒剤(228.3%)、13位の体温計(183.7%)、19位のマスク(161.2%)なども含め、ドラッグストア店頭ではすでに3月の段階で品薄もしくは品切れで入手が困難になっていたことを考えると、商品がもっと供給されていれば、伸び率はもっと上がっただろう。

ランキング上位に顔をそろえたのは、子どもが家にいることで必要量が激増し、なおかつ店頭で買える品目だ。

お菓子作りに欠かせないバニラエッセンスなどのエッセンス類が2位(251.9%)、ホットケーキミックスや唐揚げ粉などのプレミックス製品が3位(245.5%)、小麦粉が6位(210.8%)、ホイップクリームが7位(205.6%)に入った。ほかにも鍋つゆなどの鍋補完材が11位(189.0%)、メープルシロップなどのシロップ類が14位(176.3%)、スパゲティが15位(173.0%)、パスタソースが16位(166.4%)といった具合だ。

飲食店が夜8時以降のアルコール類提供を自粛している影響からか、25位にスピリッツ・リキュール類が登場。前年比で155.6%となっている。

一方、減少率トップは鎮暈剤(ちんうんざい)。要は酔い止め薬だ。前年同期比で22.2%と、8割近い減少である。3月1週目で前年比5割を切り、4月に入って下落幅が拡大した。

平時なら子ども連れで長時間乗り物に乗る機会が増える、大型連休中のデータが出てくれば、さらに下落幅は拡大するのだろう。マイカーでのレジャーや帰省自粛ゆえか、眠気防止剤も20位(60.0%)に入っている。

このほか、口紅(2位、27.5%)、日焼け止め(3位、33.3%)、ほほべに(7位、46.3%)、ファンデーション(8位、49.0%)など、女性の外出が減ると使用頻度が極端に落ちるものが上位を占めた。

19位(59.8%)に鼻炎治療薬が入っているのは、今春は花粉の飛散量が東京で昨年の4割、大阪で3割(いずれも気象庁公表値)と少なかったことが影響しているのだろう。マスクが極端に不足する中で迎えた花粉シーズンだっただけに、花粉症の人にとっては不幸中の幸いだったといえる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人 失業率は4年

ワールド

ハセット氏、FRBの独立性強調 「大統領に近い」批

ビジネス

米企業在庫9月は0.2%増、予想を小幅上回る

ワールド

米財務長官、FRB議長候補2氏を高評価 「オープン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中