最新記事

アメリカ経済

米国株式市場は続伸 新型コロナウイルス対策法案の議会通過期待で

2020年3月26日(木)07時25分

米国株式市場は、S&P総合500種とダウ工業株30種が続伸した。ウォール街で9日撮影(2020年 ロイター/CARLO ALLEGRI)

米国株式市場は、S&P総合500種が続伸した。2兆ドル規模の新型コロナウイルス対策法案が間もなく米議会を通過するとの期待が高まった。

取引終盤になってどの程度迅速に法案が可決するのか疑念が出てきたことで株価は上値を縮小したが、それでもS&P総合500種は約1%、ダウ工業株30種は約2%上昇して取引を終えた。

S&P総合500種が2日続伸したのは2月12日以来初めて。ダウ工業株30種の上昇率は2日間で14%となり、2日間の上昇率としては1987年以来最大となった。パイパー・ジャフレー(シカゴ)の債券戦略部門責任者、ジャスティン・ホーゲンドールン氏は「財政刺激策と金融刺激策で市場は回復した」と述べた。

ただ、世界的な景気後退(リセッション)や企業破綻などに対する懸念が強い中、米国では新型ウイルスの感染件数は今後も増加が続くと予想されており、このところの市場の動乱が収束したとの見方は広がっていない。

USバンク・ウエルスマネジメントのシニア投資ストラテジスト、ロブ・ハワース氏は「新型ウイルス感染拡大抑制に向けた措置がいつ解除されるのか分からない」とし、「警戒が必要な領域からまだ脱していない」と述べた。

労働省が26日に発表する週間新規失業保険申請件数は新型ウイルスの感染拡大を受けたレイオフの増加などを反映し、100万件に増加する可能性があるとみられている。

個別銘柄では、航空機大手ボーイングが24%高。過去3日間の上昇率は合わせて約70%に達した。航空業界に対する政府支援への期待から買いは航空株にも広がり、アメリカン航空、ユナイテッド航空ホールディングス、デルタ航空はそろって10%を超えて上昇した。

クルーズ船運航のロイヤル・カリビアン・クルーズと ノルウィージャン・クルーズ・ラインはともに約23%上昇。両銘柄ともに新型ウイルスの感染拡大で売り込まれていた。

一方、アップルは0.55%安。第5世代移動通信システム(5G)に対応したiPhoneの発売を遅らせる可能性があるとの日経の報道が嫌気された。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.55対1の比率で上回った。ナスダックでも2.02対1で値上がり銘柄数が多かった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相との会談「普通のこと」、台湾代表 中国批判

ワールド

米韓制服組トップ、地域安保「複雑で不安定」 米長官

ワールド

マレーシア首相、1.42億ドルの磁石工場でレアアー

ワールド

インドネシア、9月輸出入が増加 ともに予想上回る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中