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ESGは投資における紙製ストロー? ヘッジファンドが空売り狙う

2019年12月23日(月)06時00分

ESG評価、統一基準は不在

ESG企業の投資レーティングを提供する分析会社は、企業の開示した情報や別の情報源、第三者のデータの定性的分析などを組み合わせている。分析結果は投資家にとって主要な情報源だが、厳密に科学的なわけではない。

ヘッジファンドは標的となる企業を選ぶ際に、より伝統的な手法として財務面や経営面の弱さを調べるとともに、ESGへの取り組み度合いについても分析する様々な戦略を用いる。空売り筋の関心を引くのは、そうした中でもESGのレーティングが高い企業だ。

ロイターが英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアの国レベルの規制当局とリフィニティブのデータを調べたところ、各国でESGの評価が最も高い企業5社をまとめて見ると、ESGの評価が最も低い企業5社の合計に比べ、株式が空売り対象になることがより多かった。ESG評価が最も高い企業に対する売り持ちの規模は、評価が最も低い企業を50%上回った。

ESGのデータ提供業者は、エネルギーの利用状況や企業役員会の男女構成比率、給与格差に関する統計、世界各地での否定的な報道の規模などさまざまな指標に基づいて評価を下す。リフィニティブはそれぞれの企業について400以上のESGの指標を算入している。

しかし重要な問題は、ESGの尺度やリスクについて企業が開示すべき項目を定める規則がほとんどなく、あってもばらばらだと、大手ESGデータ提供会社サステナリティクスの幹部、ディーデリク・ティマー氏は指摘する。「企業はものごとが順調に運んでいるときはよく報告するが、うまくいかなくなると黙るものだ」。

ロイターのインタビューに応じた2人の有力な、世界的に大規模な資産を運用する責任者は、複数のデータ提供会社を使って自分たちのポートフォリオを検証したところ、ESGの評価間の相関性は非常に低いことが判明したとし、自分たちで独自の評価制度を構築中だと明かした。

ヘッジファンド向けのデータ分析会社ラベンパックのピーター・ハフェズ氏も「完璧なESG評価は存在しない」と認める。

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