最新記事

日米通商交渉

日米貿易協定めぐり米民主党がトランプ非難「議会との協議不十分」

2019年11月21日(木)12時28分

米議会でトランプ米大統領と安倍晋三首相が9月25日に合意した貿易協定に関する公聴会が開かれた。写真は日米の旗。ホワイトハウスで2015年4月撮影(2019年 ロイター/Kevin Lamarque)

米議会で20日、トランプ米大統領と安倍晋三首相が9月25日に合意した貿易協定に関する公聴会が開かれた。

民主党の下院議員らは、トランプ政権が日本側と通商合意の対象を絞った「ミニ合意」を協議している際、議会に具体的な協議内容を明らかにせず、公聴会での証言を拒否するなど、議会と十分に協議しなかったとして、トランプ政権を非難した。

下院歳入委員会の貿易小委員会を束ねるアール・ブルーメナウアー議員(民主党、オレゴン州)は、議員らは通商協議にあたり米通商代表部(USTR)と協力しようと努めたが、それは「極めて困難だった」と語った。

公聴会では、こうしたトランプ政権の姿勢を、憲法に基づき米議会が有する通商政策における権限をないがしろにする動きとみる議員らの不満が強いことが浮き彫りになった。

また公聴会では、貿易問題の専門家が日米の「ミニ合意」について、当事国間の「実質的に」すべての貿易を対象としない限り、このような合意を禁じている世界貿易機関(WTO)が問題視する可能性がある、とした。

トランプ政権は、より包括的な合意に向け日本との協議を継続していくと表明した。

だが、ブルーメナウアー議員は、2020年に米大統領選が控えていることや日本が他の国々とより緊密な通商関係を目指していることを踏まえると、包括合意が実現しない可能性があるとの見方を示した。

同議員は記者団に対し、現在の合意内容が「日本との合意の限界となる可能性がある」と発言。「日本が先へ進み、われわれが取り残されることを懸念している」と述べた。

共和党側は貿易協定を巡りさらなる取り組みが必要との認識に同意した一方、「ミニ合意」は中国などによる報復関税の打撃を受ける米国の酪農家を支援するとも強調した。

日本では19日の衆院本会議で日米貿易協定の承認案が可決され、与党側は12月9日の会期末までの参院承認、来年1月1日からの発効を目指している。[nL3N27Y01X]

トランプ政権は、議会の承認なしに大統領が関税を変更する権限を認める2015年貿易促進権限法に基づき、日米貿易協定に議会の承認は必要ないと主張している。

[ワシントン 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191126issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月26日号(11月19日発売)は「プラスチック・クライシス」特集。プラスチックごみは海に流出し、魚や海鳥を傷つけ、最後に人類自身と経済を蝕む。「冤罪説」を唱えるプラ業界、先進諸国のごみを拒否する東南アジア......。今すぐ私たちがすべきこととは。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送英アンドルー元王子を釈放、今後も捜査継続 公務

ワールド

米、インドネシアへの関税19%で維持 昨年合意通り

ビジネス

テスラ、米国でサイバートラック「サイバービースト」

ワールド

アングル:エプスタイン元被告、中東政財界に強いパイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 5
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 6
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 7
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 8
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 9
    カンボジア詐欺工場に「人身売買」されたアフリカ人…
  • 10
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 8
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中