最新記事

韓国経済

韓国財閥系のLGとSKがEV電池で訴訟合戦 中国は漁夫の利狙う?

2019年11月30日(土)11時03分

企業秘密

VWは、今後5年間に発売予定のすべてのEVを考えた場合、電池が足りなくなるのではないかと危惧している。LGCや中国の寧徳時代新能源科技(CATL)といったEV用電池メーカーが、欧州の新規工場における急激な増産に対応できる数の熟練労働者を抱えていないことが、その一因という。

韓国の電池産業調査会社SNEリサーチによると、世界のEV用電池市場は2025年まで年間23%拡大して1670億ドル規模に達し、その時点のメモリーチップ市場の1500億ドルを超える見通し。電池はEVを構成する最も高価かつ重要な要素だ。

LGCは訴状で、VW向けEV用電池プロジェクトに携わっていた社員をSKIが引き抜いたと主張。SKIがVWから契約を獲得できたのは、企業秘密を不正入手したからこそだと訴えている。

SKIは、従業員は前の職場で得た情報を使わないという契約に署名しているとして、企業秘密の盗用を否定。広報担当者は「当社は知的財産を尊重する」と述べた。

この問題で、米国際貿易委員会(ITC)は来年6月5日に仮決定を下す。決定がLGCに好意的な内容となれば、SKIがジョージア州もしくはハンガリーの新工場からVW米工場に電池を供給する計画は頓挫しかねない。

LGCは今年4月、ITCに対し、SKIが電池、部品、製造システムを米国に輸入するのを差し止めるよう求めた。このシステムを用いた米国での生産は22年に始まる予定だ。

SKI広報は、米国工場の建設計画に変更はないと説明。年間の電池生産能力はEV20万台分を超える予定だとした。提訴を巡り、供給に影響が出るかなどの問い合わせを顧客から受けているとした。

LGCによると、ITCによる最終決定は来年10月5日になる可能性があるが、LGCは今月、SKIへのいわゆる「欠席裁判」を早急に下すようITCに要請した。

ロイターはITCにコメントを求めたが、返答は得られていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-〔アングル〕イラン戦争でインフレ再燃、トラン

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東停戦維持期待で安全資産

ワールド

イラン交渉団がパキスタン到着、レバノン停戦要求 米

ビジネス

米国株式市場=まちまち、中東交渉控え様子見 ハイテ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 8
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    アメリカは同盟国の「潜在的な敵」となった...イラン…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中