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MRJで納期7年遅れた三菱重工、ボンバルの小型機事業買収で巻き返しなるか

2019年6月27日(木)10時15分

苦肉の策

元来はボンバルディアとブラジルのエンブラエルの牙城だった小型旅客機市場に、三菱が殴り込みをかけたのは2003年だった。

三菱が開発したのは70─90席程度の2つの機種。他のメーカーと同じように、主戦場である米国で、小型機を運航するリージョナル航空会社が大手航空のパイロットに委託できるのは最大76席までの旅客機に制限されるという労使協定が、緩和されると期待していたのだ。

ところが案に相違してこの協定は維持されたため、より大型の機体は米国外でしか販売できない一方、70席程度の機体では米国では小さ過ぎて競争力を持てないという苦境に立たされた。協定の一部項目が適用されると、座席数は65席に抑えなければならないケースさえも出てくる。

さらに協定で最大離陸重量が8万6000ポンドに設定されているので、三菱の旅客機やエンブラエルの最新鋭機「E175」など新型でエンジンが大きくなった機種には特に厳しいハードルとなっている。

そこで三菱は、従来の「MRJ70」の設計を根本から見直し、米国では3クラスで65─76席、欧州では1クラス88席として運航できる「M100スペースジェット」を生み出した。以前より機体は大型化したが、新素材を使って重量を抑えている。ベラミー氏は「斬新で最適化された旅客機になるだろう」と胸を張った。

三菱は、エンブラエルの「190」に対抗する目的で、100席弱の「M200」の生産も検討中だ。

(Tim Hepher、Allison Lampert記者)

[パリ/モントリオール ロイター]


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