アングル:米利上げ、中国・韓国など北アジア株に追い風か
中国の上海総合株価指数<.SSEC>は年初来の上昇率が35.3%とアジア首位で、韓国<.KS11>の10.4%、フィリピン<.PSI>の8%、台湾<.TWII>の4.5%がその後に続く。
中国当局は株価の急上昇を警戒し、証拠金取引の取り締まりなど規制措置に乗り出しているが、香港上場の本土企業株を筆頭に、他の地域に比べて割安感はまだ強い。また、中国経済は減速しているとはいえ、政府が追加的な刺激策を打ち出すとの期待が投資家を引き付けている。
こうした状況は、対中輸出の多い台湾や韓国企業にとっても追い風になると、HSBCは7日付のノートで指摘している。
ジェフリーズの首席グローバル株式ストラテジスト、ショーン・ダービー氏は台湾について、貿易黒字が過去最大に達し、輸出受注が伸び、消費者信頼感が改善しているため魅力的だと評価した。
またHSBCのアジア株ストラテジスト、ファン・デル・リンデ氏によると、韓国市場を昨年敬遠していた投資家が、今年はバリュエーションの低下にひかれて同市場に押し寄せている。
反対に、昨年のインド総選挙で企業寄りの政権が誕生したのを好感して同国株を30%押し上げた投資家らは、今年は引き揚げている。
この中には利益確定やポジション調整で売っている投資家もいるが、遡及課税の導入を恐れたり、改革の約束がなかなか果たされないことに失望した売りも出ている。ただHSBCは4月24日のノートで、経常収支の改善が今後ともインド株を支え続けるとの見方を示した。
(Nichola Saminather記者)