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米IT企業のインターンに破格の待遇が戻ってきた

2014年11月27日(木)17時39分
ジョーダン・ワイスマン

 このリストは、インターン志望の19歳の学生がソーシャルニュース・サイト、レディットで情報提供を呼び掛けて作成したものだ。そのため、社名が挙がった企業には確認がとれていない。それでも、以前に報道された数字と比較すると、ほぼ実態を反映したリストと見ていい。熾烈な人材争奪戦が続くIT業界。インターンの待遇がどんどん良くなっても驚くには当たらない。

 フィットビットのインターンが自分よりも稼ぎがいいと知っても、落ち込むことはない。世の中には、庶民の顰蹙を買うほど法外な報酬をもらっている人々がごまんといる。グローバル企業のCEOだ。ウォール街の大物たちは自分の賞与のためには金融システムを崩壊させるリスクすら冒す。

 インターンと言えば、無給で下働きの仕事をする学生というイメージがあるが、今のIT業界では学生でも即戦力になる。ハイテク企業がインターンを社員と同列に扱うのは良心的な姿勢だろう。IT業界に限らず、法律や金融など、給与水準が高く、競争が激しい業界では、いずこもインターンは優遇されている。

 実際、このリストの中で一番気前がいい企業は、従来の意味でのハイテク企業ではない。その企業とはジェーン・ストリート・キャピタル。「プロップファーム」と呼ばれる投資会社だ。プロップファームは顧客のいないヘッジファンドのようなもの。インターネット上の高頻度取引で自己資金のみを運用して稼いでいる会社だ。

 いずれにせよ、「インターンは社員にコーヒーを買ってきて、お小遣い程度の給与をもらうもの」という常識はもはや通用しない。そして、それは喜ぶべきことだろう。

© 2014, Slate

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