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経済

原油価格「急落」の複雑なカラクリ

2014年10月27日(月)12時24分
マリア・ガルーチ

明暗が分かれる産油国

 カナダもアメリカからの輸入を増やしている。その結果、アフリカなど産油国の中には買い手が見つからず、アジアの製油所に買いたたかれる例もある。

 イラクやロシアをはじめ紛争などで混乱する国でも、予想に反して生産量が伸びている。なかでも内戦状態に陥っているリビアの復活は目覚ましい。リビア政府は7月に反政府勢力から2カ所の原油積み出し港を奪還。生産量はわずか6週間で日量20万バレルから90万バレルに回復した。

 原油価格の下落によって、世界の産油国の経済が大打撃を受ける恐れはないのか。ロンドンの調査会社キャピタルエコノミクスのアンドルー・ケニンガムは、ロシアと中東諸国については致命的な影響は受けないとみている。一方、ブラジルやメキシコ、ベネズエラといった新興国は「石油で得た利益を残しておかなかった」ために深刻な打撃を受ける可能性がある。

 欧米や中国の経済が上向けば、原油価格は再び値上がりするだろう。リビアやイラクの情勢が悪化して供給が減る可能性もある。だが本格的な価格上昇には「OPEC全体の供給調整が不可欠」と、ローウェンは言う。

 最近の世界情勢の激動ぶりを考えれば、そんな「切り札」さえ万能ではないかもしれないが。

[2014年10月21日号掲載]

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