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グーグル独禁法疑惑に「あの企業」の影

2011年10月31日(月)15時31分
ダニエル・ライオンズ(テクノロジー担当)

検索結果が示す「身びいき」システム

 シュミットは公聴会で、グーグルはマイクロソフトとは違うと発言。「私たちは他社の先例から教訓を得ている」として、「業界のすべての企業が同類ではないこと、一企業の過去が別の企業の未来ではないことを思い出してほしい」と訴えた。しかしグーグルがマイクロソフトとは違うと主張すればするほど、ますます同じに見えてしまう。

 反グーグル派は、グーグルより優れた検索エンジンがあったとしてもユーザーはグーグルを使い続け、検索結果でグーグル関連のサイトが上位に表示される状況は変わらないと主張する。

 先週の公聴会で問われたのは、グーグルで情報を検索したときにグーグルファイナンスやグーグルフライトサーチなどの自社サイトが上位に表示され、他社のサイトが下位に表示されるよう同社が操作しているかどうかだ。ある議員は商品に関する膨大な検索結果のチャートを提示したが、グーグルのショッピングサイトが3番目に表示される例が何度も出てきた。

 シュミットは終始冷静でしおらしくしていたが、彼の弁護団は煮詰まった空気を打破するためにこう言った。「私たちは善人だ。信頼してほしい」

 大小を問わず多くの企業を敵に回していることを考えれば、それでは言葉足らずだろう。

[2011年10月 5日号掲載]

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