最新記事

ウォール街

バンカメ、リーマン後遺症で3万人削減

米銀最大のバンク・オブ・アメリカとウォール街をいまだに苦しめ続けるサブプライム絡みの腐った資産

2011年9月13日(火)17時34分

総動員 中国建設銀行株を半分売却し、バフェットから50億ドルの出資を受けても追いつかない Fred Prouser-Reuters

 資産規模でアメリカ最大の銀行バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハンCEOは9月12日、2013年までに年間50億ドルの経費削減を行う計画を発表した。

 08年のリーマンショック以降、ウォール街に吹き荒れるリストラの嵐は今も止まるところを知らない。ロイター通信によれば、当面は個人向け事業でのコスト削減と、データセンター統合などのシステム改変に注力し、その後、企業金融などの法人ビジネスにもメスを入れる。これにより、今後数年間で3万人の人員が削減される予定だという。

「最大の銀行である必要はない。ベストの銀行であるべきだ」と、モイニハンは語った。「必要のないビジネスを整理することで、よりスリムでシンプルで、勢いのある企業になれる」

 バンク・オブ・アメリカは「売上高経費率を第1・四半期時点の約57%から55%に引き下げ、1年間の総経費730億ドルのうち50億ドルの削減をめざす」と、ロイター通信は報じている。「モイニハンは、およそ50人の幹部行員が15万件ほどのコスト削減案を検討していると語り、新コスト削減計画の詳細をバークレイズ・キャピタル証券主催のカンファレンスで発表した」

サブプライム絡みの損失が足を引っ張る

 銀行に課された自己資本規制の新基準を満たすために、同銀行が今後数年間で500億ドルを調達する必要がある、との試算も数多く報告されている。

 ブルームバーグは、「08年に買収したサブプライム住宅ローン会社カントリーワイド・ファイナンシャルに絡む損失処理や訴訟費用、評価損が、バンク・オブ・アメリカの収益を蝕む主要な要因だ」と指摘している。「同時に、アメリカ経済の停滞も収益を圧迫している」

 メディアは先週、バンク・オブ・アメリカが4万人もの人員削減を計画していると報じた。同銀行は今年すでに6000人の人員削減を発表しており、保有する中国建設銀行の株式の半分を売却することも決定していた。8月後半には、大物投資家ウォーレン・バフェット率いる投資会社から50億ドルの出資を受けることでも話題になった。

 ブルームバーグによれば、米銀で最大の雇用を誇るバンク・オブ・アメリカには、6月30日時点で28万8000人の従業員がいる。同銀行の株価は今年1月以来、半値近くに下がっている。
 
GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

NZ中銀、政策金利2.25%に据え置き イラン情勢

ビジネス

アングル:米ではインフレ、印では工場閉鎖 エネルギ

ワールド

米ICE、空港保安当局が提供した情報で800人以上

ワールド

北朝鮮が2日連続で飛翔体発射、韓国の緊張緩和期待に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 5
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 8
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 9
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 10
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中