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アメリカ経済

アメリカの消費者は死んでいない

2009年10月23日(金)16時54分
ロバート・サミュエルソン(本誌コラムニスト)

小売業の株価回復も好材料

 雇用の伸びも、少しずつ回復しつつある。「人々は過去ばかり振り返る傾向がある」と、スターンは言う。「彼らは現在起きていることに目を向けない」

 スターンは、消費者支出の強固さを示す指標に注目する。小売大手の株価の上昇だ。「こうした企業の株価は9カ月間、上がり続けている」と彼女は言う。百貨店メーシーズは5.07ドルの最安値から約20ドルに上昇。同じく百貨店のJCペニーは13.71ドルから約37ドルに、サックス・フィフィス・アベニューは1.50ドルから約7.45ドルにそれぞれ回復した。

 この不況で、アメリカ人の貯蓄率は増加するだろう。だがその増加率は緩やかで、消費の回復を妨げるほどではないとスターンは言う。とはいえ彼女は、次のように警告する。

 短期的な回復は楽観視できても、最終的には高齢化によって消費は減速するというのだ。高齢者は収入の面でも消費の面でもピークを過ぎた人たち。もちろん世界経済にとっては、そんな先のことより前に心配すべきことは多いのだが。

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