- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 15年の経過とともに、忘れられつつある9・11
15年の経過とともに、忘れられつつある9・11
Brendan McDermid-REUTERS
<アメリカをアフガニスタン、イラク戦争へと引き込んだ9・11テロから15年が経過した。アメリカでは様々な形で事件が忘れられつつあるが、それとともに中東情勢への関心も失われていることは問題>(画像は今週の追悼式典で遺族が掲げた犠牲者の遺影)
今年も9月11日がやって来ました。アメリカでは「9・11テロ」から15年の節目ということもあって、11日の日曜日には、新聞やTVが大きくこの話題を取り上げました。
しかしその一方で、15年という長い年月が人の記憶を薄めていったのも事実です。全米を揺るがせたこの「9・11」という事件も、「忘れられつつある」のはある意味では避けられないのかもしれません。ですが、「忘れる」のが許されないこともあると思います。
アメリカは「9・11」で自分たちが受けた被害よりも、何倍という大きな影響を「9・11へのリアクション」として世界に投げ返しました。その余波が、今でも続いていることを考えれば、「忘れる」というのはやはり無責任だと思います。では、アメリカはどんな「忘れ方」をしていると言えるのでしょうか。
一つには、アメリカ人の感覚として「今、テロの恐怖はヨーロッパにあるのだから、そこから距離を置けばいい」という感覚が生まれているということがあります。ヨーロッパでは、パリの事件、そしてニース、あるいはブリュッセル、イスタンブールと悪質な事件が続いているので、「ヨーロッパが怖い」とか「ヨーロッパのようになっては困る」という感覚があります。
【参考記事】オバマ政権がイランへ支払った17億ドルの意図とは何か
同時に「ヨーロッパのテロは、やや他人事」という感覚もどこかにあります。例えば、2005年7月のロンドンのテロの時には感覚は違いました。アメリカは、自分のことにように驚き、怒り、恐れたように思います。ですが、その感覚は今はありません。そして、その距離感は、建国以来のアメリカに染み付いている「ヨーロッパのトラブルには巻き込まれたくない」という孤立主義の伝統とシンクロしています。
トランプが「イスラム教徒の入国禁止」などという政策を掲げるのも、それが支持される背景として「向こうで起きていることは、こっちに来ないようにすれば安心」という「距離感」と「孤立主義」から来ているように思います。そして、そうした心理の大前提として「9・11を忘れつつある」ことは否定できません。
二つ目に、キーマンの変心を挙げたいと思います。15年前のニューヨークは大変な状況でした。テロの再発があるかもしれない一方で、ダウンタウンは被災して経済は停滞、何よりも多くの不明者とその家族への対応、負傷者の治療、そして不幸にも落命した人々の葬送などが続き、日々が異常事態でした。危機管理と言うには余りにも人間臭く、そして複雑な状況が続いたのです。
高市早苗新首相と田原総一朗氏との浅からぬ因縁 2025.10.29
国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の「保守性」 2025.10.22
日本の次期首相に絶対的に必要なのは「円を守り抜く信念」 2025.10.15
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱 2025.09.17
-
人事・総務事務/「正社員」外資系専門商社 HR業務「在宅週2OK」
マンパワーグループ株式会社
- 東京都
- 年収880万円~
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/東京都/港区虎ノ門
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
経理事務/外資系資産運用会社@神谷町にて経理
マンパワーグループ株式会社
- 東京都
- 年収450万円~500万円
- 正社員
-
人事・総務事務/「正社員」外資系製造メーカーでの人事労務@芝公園
マンパワーグループ株式会社
- 東京都
- 年収400万円~450万円
- 正社員






