プレスリリース

Team HOPE、JBVP日本臨床獣医学フォーラム年次大会2025にて動物病院における犬猫の死亡年齢と死亡原因の調査について発表

2025年10月08日(水)14時00分
ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体一般社団法人 Team HOPE(チームホープ、代表 上條 圭司)は、9月28日(日)に開催されたJBVP日本臨床獣医学フォーラム第27回年次大会において、「動物病院における犬猫の死亡原因調査の経過報告と今後のデータ活用に向けての考察」と題して、全国のTeam HOPE賛同病院のネットワークを通じて集めた約1,500例(犬:990例、猫:486例)のサンプルをもとに解析した結果を発表しました。
犬と猫の寿命の延伸に伴い、死亡原因が変化していることが推察されます。Team HOPEでは、死亡年齢と死亡原因に関する大規模な調査を行うことは今後の獣医療の方向性に寄与できると考え、本調査を実施しました。調査結果の主なポイントは以下となります。


【調査結果の主なポイント】
■死亡年齢
・犬の死亡年齢の分布は、14~17歳がピーク。中央値は14歳。ヒトと違い、性別で有意差はない。
・猫の死亡年齢の中央値は13歳と、犬より 1年短い。死亡年齢が21歳~24歳など、犬より長生きしている個体は多いが、0歳、1歳で若くして亡くなっている子が多いことが影響している。性別では、メスが14歳、オスが13歳と、有意に差が認められた。
■死亡原因
【犬】第1位 循環器系疾患 第2位 新生物 第3位 腎尿路泌尿器系疾患
第4位 消化器系疾患 第5位 神経疾患 第6位 呼吸器系疾患 ※肺水腫は循環器系の疾患に分類
【猫】第1位 腎尿路泌尿器系疾患 第2位 新生物 第3位 循環器系疾患
第4位 消化器系疾患 第5位 内分泌栄養代謝性疾患 第6位 感染症
■品種別 死亡年齢と死亡原因
【チワワ】
・死亡年齢の中央値は14歳。犬の平均中央値と同じ。
・死亡原因 第1位 循環器系疾患 第2位 腎尿路泌尿器系疾患 第3位 消化器系疾患
第4位 新生物 第5位 神経系疾患 第6位 呼吸器系疾患
【ゴールデンレトリーバー】
・死亡年齢中央値は10歳。大型犬は10歳が大きなピーク。
・死亡原因 第1位 新生物 第2位 循環器系疾患 第3位 呼吸器系疾患
第4位 神経系疾患 第5位 呼吸器系疾患 第6位 腎尿路泌尿器系疾患

本調査発表を行ったTeam HOPEの代表である上條 圭司は以下のように述べています。「犬と猫の寿命は延伸しつつあるといわれていますが、その背景には獣医療における診断技術と治療技術の向上のほか、健康診断の普及によって、各種疾病の早期発見と早期治療ができるようになったことも影響していると考えられます。今回の発表は、2025年1月から開始した調査の経過報告です。本調査を継続的に実施することで、動物病院における犬と猫の死亡年齢や死亡原因の変化が検証できると考えています。
年末に向けてさらに数多く全国のデータを集め、犬と猫の死亡年齢、死因と地域との相関性、犬と猫の死亡年齢と死亡原因と動物の性別、避妊去勢の有無、地域や飼育環境、フードとの相関性などを検証していきたいと考えると共に、将来的には海外のデータとも比較してみたいと考えています。また、このような調査を長期的に続けていくことで、5年後、10年後には、犬や猫が病気にかかったとしても健康診断の普及によって発見が早まり、死亡年齢がさらに延びることにつながると考えます。Team HOPEでは健康診断がペットの寿命延伸に役立つことを多くの皆さんに理解いただけるよう、本調査を継続してまいります」


今回の調査の詳細は次の通りです。

【調査概要】
調査期間 :2025年1月~7月
調査施設 :一般社団法人 Team HOPEの賛同動物病院
調査内容 :当該動物病院での治療中に死亡した犬と猫に関する情報
一般的情報 (品種,性別,避妊/去勢の有無,飼育方法,等々)、
死亡時の年齢、死因
サンプル数:犬N=990 猫N=486
統計処理 :岡山理科大学疫学教室 深瀬徹教授


□犬の死亡年齢の分布は、14~17歳がピーク。中央値は14歳。ヒトと違い、性別で有意差はない。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_1.png
犬の死亡年齢の分布

□猫の死亡年齢の中央値は13歳と犬より1年短い。メスが14歳、オスが13歳で、有意に差が認められた。
死亡年齢が21歳~24歳など、犬より長生きしている個体は多いが、0歳、1歳で若くして亡くなっている子が多いことが影響している。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_2.png
猫の死亡年齢の分布
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_3.png
犬と猫の死亡年齢の比較

□犬の死亡原因
第1位 循環器系疾患 第2位 新生物 第3位 腎尿路泌尿器系疾患
第4位 消化器系疾患 第5位 神経疾患 第6位 呼吸器系疾患
※肺水腫は循環器系の疾患に分類

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_4.png
犬の死因

□猫の死亡原因
第1位 腎尿路泌尿器系疾患 第2位 新生物 第3位 循環器系疾患
第4位 消化器系疾患 第5位 内分泌,栄養,代謝性疾患 第6位 感染症

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_5.png
猫の死因


【考察】
長生きする個体が増えたことで、新生物つまり腫瘍・がんが死亡原因の2位になっている。
尿路泌尿器系疾患、新生物、循環器疾患の3つの疾患は悪化してから治療するよりも、早期発見することによって発症を防いだり、発症を遅らせたりすることができる。


□品種別 死亡年齢と死亡原因の解析
【チワワ】
・死亡年齢中央値は14歳。犬の平均中央値と同じ。
・死亡原因 第1位 循環器系疾患 第2位 腎尿路泌尿器系疾患 第3位 消化器系疾患
第4位 新生物 第5位 神経系疾患 第6位 呼吸器系疾患
チワワは僧帽弁閉鎖不全が多い。神経系は水頭症や脊髄空洞症と推測できる。

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_6.png
チワワの死亡年齢の分布

【ゴールデンレトリーバー】
・死亡年齢中央値は10歳。大型犬は10歳が大きなピークとなっている。
・死亡原因 第1位 新生物 第2位 循環器系疾患 第3位 呼吸器系疾患
第4位 神経系疾患 第5位 呼吸器系疾患 第6位 腎尿路泌尿器系疾患
ゴールデンレトリーバーは血管肉腫、骨肉腫、組織球肉腫、リンパ腫など腫瘍性の疾患が非常に多い。
健康診断で症状が出る前に腫瘍を発見することで、手術などで余命をかなり延ばすことができる。
特に大型犬に関しては、ある程度の年齢になったら超音波検査を年に2回3回行う価値がある。

画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_7.png
ゴールデン・レトリーバーの死亡年齢の分布
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_8.png
チワワとゴールデン・レトリーバーの死因の比較

<一般社団法人 Team HOPE> http://teamhope-f.jp/
全国の獣医師・動物病院がTeamとなって、ペットの予防医療と健康管理の普及・啓発活動を推進し、ペットにやさしい社会の実現を目指す獣医師団体。全国の動物病院の約1/4(2,850病院)を超える病院が賛同している。
10月13日(じゅういさん)を「ペットの健康診断の日」と定め、この日に合わせて、2025年10月~12月まで賛同病院で『健康診断キャンペーン』を実施中!
健康診断キャンペーン特設サイト https://teamhope-f.jp/1013.html

画像9: https://www.atpress.ne.jp/releases/549298/LL_img_549298_9.png
健診キャンペーン2025


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プレスリリース提供元:@Press
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