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【写真特集】出口なきエルサルバドルの闇
NO WAY OUT
Photographs by TARIQ ZAIDI

チャラテナンゴ刑務所に収監されている27歳のMS‒13メンバー。MS‒13のモットーは「殺せ、レイプし、支配せよ」
<暴力と恐怖が支配するギャングの世界に一度足を踏み入れれば、もう出口はない>
ギャングによる殺人やレイプが蔓延する中米エルサルバドル。幼少期から暴力や貧困と隣り合わせの日常は、絶望した若者たちをギャングの道へと引きずり込む。新入りメンバーは殴打やレイプの洗礼を受け、逃げ出そうとする者には死が待ち受ける。
写真家のタリーク・ザイディは、ギャングが恐怖によって同国を支配している様子を写真集『シン・サリダ』にまとめた。「(ドナルド・)トランプ前米大統領が中米からの移民を『犯罪者』と呼んだとき、彼らがどんな生活から逃れようとしているのかを知ろうと思った」とザイディは言う。
3年がかりで撮影したのが、同国で二大勢力とされるギャンググループのマラ・サルバトルチャ(MS-13)とバリオ18のメンバー、そしてその恐怖支配の現場だ。
8~9歳でギャングに入る子供もおり、一度入ると精神的にも肉体的にも抜け出すことは困難だ。絶望的世界への入り口は曖昧で、一度入ると出口はない。彼らの支配下に生きる多くの人々にもまた、出口は見えない。
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