コラム

戦うべき敵は欧米コンプレックス

2020年04月08日(水)12時48分

しかし、それだけ論理的にも、エビデンス的にも破綻しているのに、ほとんどのインテリたちが自信をもって、政府の方針を批判できるのか。私には、欧米コンプレックスから来ているとしか思えない。欧米と日本のやり方が違えば、日本のやり方が間違っているという前提、先入観に支配されているとしか思えない。

しかも、結果は今のところ、日本のほうが相対的に圧倒的にましである。欧米の失敗から学ぶのはどんどん学べばよい。しかし、失敗例をそのまま理想としてまねしろ、というのは狂気の沙汰としか思えない。

狂気でないとすればコンプレックスだろう。

それ以外に解答が見つからない。

*この記事は「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」からの転載です

プロフィール

小幡 績

1967年千葉県生まれ。
1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現財務省)入省。1999大蔵省退職。2001年ハーバード大学で経済学博士(Ph.D.)を取得。帰国後、一橋経済研究所専任講師を経て、2003年より慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應ビジネススクール)准教授。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。新著に『アフターバブル: 近代資本主義は延命できるか』。他に『成長戦略のまやかし』『円高・デフレが日本経済を救う』など。

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