最新記事
シリーズ日本再発見

温泉だけでなく、温泉地の「すべて」が詰まったテーマパーク

2016年11月25日(金)15時27分
高野智宏

japan161125-4.jpg

東海道五十三次がテーマの広い足湯

 しかし、いかに種類が多彩でも、入浴ばかりでは、遊び盛りの子供が飽きてしまうのも時間の問題だ。その点、ここなら心配はいらない。"温泉テーマパーク"と謳うだけあって、「江戸」と「祭り」をコンセプトとした非日常感満載の演出と多彩なエンターテインメントが用意されている。

 そんな大江戸温泉物語を楽しむには、まず、自らがその世界観に同化すること。

 受付を済ませた後に浴衣に着替えるのだが、男性は4種類、女性は5種類の中から好みの柄を選べる。サイズもSから3Lまで揃えてあり、大柄な人向けには少数ながら4Lサイズも用意されている。これならば、いかに大柄な外国人であっても"YUKATA"スタイルを楽しめるだろう。「外国人のお客様は、浴衣に着替えること自体を楽しまれている。また、多くの方が浮世絵をモチーフとした柄を選ばれる」(森田氏)

 脱衣所から出ると広がるのは、温泉と並ぶメインの施設、テーマパークの所以たる「広小路」だ。賑やかな祭り囃子が流れるなか、中心には四方に提灯が連なる火の見櫓がそびえ立ち、その周りには、江戸時代の町並みを模した外観に演出された各種店舗が並ぶ、圧巻の光景が目の前に現れる。まさしく一瞬にして非日常の異空間へと誘われるのだ。

 広小路で暖簾を掲げるのは、寿司やラーメン、カレーに、カフェやクレープ店など計16店舗。ほぼカウンターで料理を注文し、テーブルや畳敷きの大広間で飲食するフードコートスタイルだが、座敷の個室で本格的な会席料理を楽しめる和食店も用意されている。

 祭りの夜店を思わせる遊び処も豊富に並ぶ。射的やスマートボール、ヨーヨー釣りに型抜きなど計11ブース。森田氏は「外国人のお客様に圧倒的に人気なのが手裏剣投げ。大人も子供も『忍者、忍者!』と大騒ぎで、ゲームの前には必ず手裏剣を持っての記念撮影が始まる」と笑う。しかし、この雰囲気ならば無理もない話。外国人ならずとも、大人であれ童心に帰って楽しめること間違いない。

 なお、大江戸温泉物語をナイトスポットとしてお勧めする理由のひとつに、日帰り温泉と違って、多彩な宿泊設備が用意されていることがある。室内にジャグジー付きの露天風呂を有する特別室を筆頭に、和室と洋室を含め22室。70の寝台を擁する黒船のキャビンをイメージしたカプセルホテルや、バックパッカーならば、夜に仮眠室となる大広間で睡眠をとるという選択肢もあるだろう。

【参考記事】子連れでも楽しい、東京で一番の夜景展望台へ!

インバウンド景気で外国人客は増加中

 取材に訪れたのは平日の午後早くだったが、そんな時間帯でも老若男女の幅広い世代が浴衣姿で温泉やゲームを満喫中だった。また、外国人も家族やカップル、ツアー風の客などがちらほらと散見された。ここ大江戸温泉物語にも、インバウンド景気の影響が少なからずあるようだ。

 森田氏が言う。「現在、年間の総入場者数は約100万人。そのうち、それまで10~15%程度だった外国人のお客様の比率が3年前ほどから増え始め、現在では20%程度にまで増加した」。また、以前はその半数以上が欧米人だったが、今では約8割が中国や韓国を始めとするアジア圏の客と、外国人の客層も変化したという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾、半導体生産40%の米移管は「不可能」 米の要

ワールド

アングル:メモリー半導体不足がスマホ市場を揺らす 

ワールド

中道、引き続き支持拡大目指す考え 野田・斉藤代表が

ビジネス

大林組、通期純利益予想を1700億円に上方修正 今
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 5
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 6
    背中を制する者が身体を制する...関節と腱を壊さない…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中