コラム

世界のコンドーム話あれとこれ

2010年03月20日(土)11時00分

 3月8日の国際女性デーにちなんでというわけでもないだろうが、米ワシントンで女性用コンドームが無料配布されることになった。ワシントンではアフリカ系アメリカ人のエイズ感染率が高く、その予防・啓発のためというのが背景事情。

 アメリカでは93年に女性用コンドームが認可されているが、価格の高さや使い心地の悪さ(使用中の音がかなりうるさい)からほとんど普及していない。米疾病対策センター(CDC)の02年調査によれば使用経験のある女性はわずか2%。今回配布される改良バージョンの「FC2」は1個82セントと従来品より30%ほど安くなっているし、素材も固めのポリウレタンからニトリル(ラテックスゴムに似たもの)に変わっている。

 男性まかせではなく、女性主体で避妊と性感染症予防をできる貴重な手段だから、メーカーにはさらなる改良と製品普及に努めてほしいものだ(FC2もまだまだごつい感じがする)。おしゃれなイメージ戦略も重要で、ニューヨーク市の公認コンドームのようにパッケージデザインを公募して話題を集めるのも一つのやり方かもしれない。

 それにしても、第2世代のFC2が出るまで15年以上もかかっているのはちょっと驚きだ。男性用コンドームの開発にはもっと熱意が注がれているだろうに......。

 たとえば最近、スイスでローティーン向けコンドーム(製品名「ホットショット」)が発売されるというニュースがあった。政府の調査で12~14歳の性体験率増と無防備なセックスが明らかになり、これが製品開発に結び付いたらしい。そんな年でコンドームが必要か? と眉をひそめる人もいるだろうが、現実的対処としては間違っていないと思う。ただしティーン向けといっても特別な仕掛けはなく、直径が標準サイズの52ミリよりちょっと小さくて45ミリというだけだが。

 しかしこの7ミリの差が重要といえば重要。正しいサイズのコンドームをつけないと使用中に破れたり、快感が損なわれたりするという米研究者の調査もあるくらいだから。ちなみにこの調査では、男性は多くの場合、SサイズやMサイズのコンドームを購入しない傾向があることもわかったとか。そんなところで見栄を張らなくてもいいですよ、男性諸君。

――編集部・大橋希

このブログの他の記事も読む

プロフィール

ニューズウィーク日本版編集部

ニューズウィーク日本版は1986年に創刊。世界情勢からビジネス、カルチャーまで、日本メディアにはないワールドワイドな視点でニュースを読み解きます。編集部ブログでは編集部員の声をお届けします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日仏首脳会談、イラン情勢「早期沈静化に向けた意思疎

ビジネス

米住宅ローン金利、6.57%に上昇 昨年8月以来の

ワールド

ロシア 、 ドンバス地域のルハンスク州完全掌握と発

ビジネス

英3月製造業PMI低下、中東紛争でコスト急上昇
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 5
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 6
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 7
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story