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16年続く長期政権が「民主主義」に敗北し崩壊...ハンガリーが示す「ポピュリズムの限界」とは
投票を終えたオルバン Bernadett Szabo-shutterstock
<問題は山積しており、前途は決して洋々とはいえないが>
4月12日に行われたハンガリー議会(一院制)総選挙で16年に及んだオルバン長期政権を厳しく批判してきた新興政党「ティサ(尊重と自由)」が憲法改正に必要な3分の2超の議席を得て、マジャル・ペーテル党首(45)が次期首相になる。
「非自由主義」を標榜し、強権主義に陥ったオルバン・ビクトル首相(62)の右派政党「フィデス・ハンガリー市民連盟」は大敗、国際政治の歴史的な転換点となった。英紙タイムズ社説(13日付)は1989年の共産主義体制崩壊に匹敵する「無血革命」のような祝祭感を伝えた。
かつてフィデスの一員だったマジャル氏にはハンガリーを「脱オルバン化」し、欧州の主流派民主主義へと回帰させる重い責任がある。オルバン政権は欧州連合(EU)内でウラジーミル・プーチン露大統領の意を汲む「トロイの木馬」として振る舞ってきた。
「国家の私物化」を解体する難しさ
タイムズ紙はマジャル氏にウクライナへの900億ユーロ支援に対する拒否権を即刻解除し、オルバン政権とプーチンの不透明な裏取引を調査するよう求めた。「オルバン氏の敗北は欧州の民主主義にとっての追い風であるだけでなく、プーチンにとっては挫折である」
マジャル氏は完全なリベラルではない。現実主義者であり、国内の農家やエネルギー事情を背景にウクライナへの武器供与や同国のEU加盟には慎重な姿勢を維持するとみられている。それでもEUとの関係改善とハンガリーの経済再生に向けた大きな一歩となる。
英誌エコノミスト社説(13日付)は「民主主義が強権的な指導者を打ち負かした瞬間」と歓迎する一方で、オルバン氏が長年かけて司法、メディア、行政の隅々に忠誠派を配置し、憲法を書き換えて権力基盤を固めた「国家の私物化」を解体する難しさを指摘している。
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