コラム

同盟国を「侮辱」したトランプ発言、「アフガンで前線にいなかった」...NATO各国から批判殺到

2026年01月24日(土)13時22分

「何千人もの人生が永遠に変わってしまった。母親や父親は息子や娘を弔った。子どもたちは親を失ったまま残された。家族はその代償を背負わされている。これらの犠牲は真実と敬意をもって語られるべきだ。皆、外交と平和を守るために団結し、忠誠を尽くし続けているからだ」

ヘルマンド州はテロ首謀者の国際テロ組織アルカイダを匿っていたイスラム原理主義武装勢力タリバンの強力な支持基盤だった。アフガンのアヘン生産の半分以上を占め、タリバンの資金源となっていた。このため英軍とタリバンの間で戦闘が激化した。

英首相「私が言ったとしたら間違いなく謝罪する」

ヘンリー公爵は07〜08年、前線航空管制官として地上部隊の最前線で攻撃機を誘導する危険な任務に就いた。12〜13年にも攻撃ヘリコプターの副操縦士兼射撃手として従軍。地上で包囲された味方を援護するためにタリバンと直接交戦する任務をこなした。

英軍の戦死者457人のうち90~92%がヘルマンド州で亡くなった。ヘンリー公爵が「そこで友を失った」と語るのは過酷な歩兵戦に身を置いていた事実に基づく。中でもヘルマンド州サンギンは英軍にとって「地獄」と呼ばれた。100人以上の英兵がサンギン周辺で命を落とした。

英兵や家族の怒りは収まらない。キア・スターマー英首相は「トランプ氏の発言は侮辱的で言語道断。アフガンで命を落とした英兵457人の勇気、勇敢さ、彼らが国のために払った犠牲を私は決して忘れない。もし私があのような言葉を口にしたなら間違いなく謝罪する」と述べた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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