コラム

イスラエルの「ハマス掃討作戦」でパレスチナは地図から抹消へ? 英国による「国家承認」の重要性

2025年09月24日(水)17時12分

ドイツはユダヤ人虐殺の歴史的責任からイスラエルの生存と安全の確保を最優先に掲げ、「国家承認はプロセスの最後」との立場。メローニ伊政権は「パレスチナ国家の理念には賛成だが、国家が実体として確立する前の『紙の上だけの承認』は逆効果」と先行承認には否定的だ。

「ヨルダン川より西側にパレスチナ国家は樹立されない」

スターマー政権は7月、停戦合意、国連主導の援助再開、併合断念、長期和平プロセスへの復帰、ガザの惨状緩和の5条件を提示した。しかしイスラエルは逆にガザでの地上作戦を拡大し、西岸入植計画を最終承認し、その8割超を併合する構想までぶち上げた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は英国の承認を「テロへの愚劣な報酬だ。ヨルダン川より西側にパレスチナ国家は樹立されない」と非難し「主権国家としてのパレスチナ」を否定。極右の閣僚らは西岸に「主権適用(併合)」を直ちに進めるべきだと強硬論を唱える。

国連人権理事会の調査委員会は報告書でイスラエルがガザのパレスチナ人にジェノサイドを行っていると認定した。人道危機の深刻化、西岸入植の既成事実化の加速、人質問題の長期化という三重の負のスパイラルの中で行われた今回の承認はネタニヤフ氏の暴走を止められるのか。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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