コラム

フランス極右ルペン氏、「有罪判決」で大統領選に出馬禁止へ...それでも「国民連合」人気は衰えず

2025年04月02日(水)17時19分

直近の世論調査で支持率34~37%と首位に立つルペン氏は「政治的に対立する体制派によるデッチ上げだ。私腹を肥やしたことはない」と言い切った。控訴審で有罪になったとしても最高裁が判決を下すまで刑の即時執行が免除されれば、ルペン氏は大統領選に出馬できる。

「そう簡単に民主主義の否定を受け入れるつもりはない。落胆していない。フランス人と同じように怒っているのだ」と語気を強めた。これまでの司法手続きを遅らせる時間稼ぎ戦略が裏目に出たルペン氏はいま早く控訴審が行われることに望みをつなぐ。しかし出馬への道は隘路だ。

若きバルデラ党首の出馬は否定

若きジョルダン・バルデラ現党首が代わりに大統領選に立候補するのかと問われたルペン氏は「彼は私たちの運動にとって非常に大きな財産だが、必要以上に早くこの財産を利用する必要がないことを願っている」とあくまで自らの出馬にこだわった。

仏紙リベラシオン(4月1日付)によると、国民連合幹部は最悪シナリオ、つまりルペン氏が大統領選に出馬できなくなるような事態についてほとんど検討も準備もしていなかった。「戦争に備えていても核攻撃後のことは想定しない」とショックの大きさを表現している。

有罪判決への非難はSNS上に溢れた。クレムリン、ポピュリストのドナルド・トランプ米大統領、側近のイーロン・マスク氏、ブラジルのジャイル・ボルソナロ前大統領、ハンガリーのオルバン・ビクトル首相のほか、仏国内のライバル政党からも司法の政治介入への批判が相次いだ。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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