コラム

DeepSeekは「衝撃」などではなかった...テクノロジーの歴史を知る人なら「当たり前」と思えた理由

2025年02月19日(水)16時33分

現在のAIモデルが続く可能性は低い

ディープシークはAIモデルの開発に当たり、オープンソースとして公開されている既存のモデルを活用し、それを基に学習を行ったとしている。それ自体は問題ないが、同社には、オープンソースのAIモデルだけでなく非公開のモデルを学習に用いた疑惑が指摘されている。仮にそれが事実であれば、同社の技術は不正に開発されたものということになる。

だが技術の大きな流れとして捉えた場合、それはさまつな問題にすぎない。現在のAIモデルが半永久的に市場を独占する可能性は低く、今後、第2第3のディープシークが出てくる可能性のほうが圧倒的に高い。

問題は、次に市場を席巻する革新的技術がアメリカから出てくるのか、それとも中国から出てくるのかである。どちらになるのかで世界は大きく変わるだろう。


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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

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