コラム

コメ不足が、「一時的」でも「偶発的」な問題でもない理由...背後にある「マクロ的な要因」を探る

2024年09月27日(金)17時02分

「自給率を上げよ」「コメを守れ」で問題は解決しない

今回のコメ不足をきっかけに、「自給率を上げよ」「コメを守れ」という勇ましい意見も出ているが、そもそも日本人がコメを食べなくなっている(食べられなくなっている)のに、自給率を上げて市場を拡大するのは至難の業である。

コメ以外の食品についても、世界的な人口増加と経済拡大に生産が追い付いていないという現実が背景にあり、もはや食料品は全世界的な争奪戦となっている。一連の問題は自給率の低下といった単純な話ではなく、国家全体の購買力に関わる問題であり、日本経済が本格回復しない限り、慢性的なモノ不足が続く可能性がある。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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