コラム

コロナで急増した貯蓄をどう使うか...日本人の使い方は下手すぎる

2021年09月15日(水)20時19分

日本の場合、企業に過剰貯蓄が存在するが、設備投資には回っておらず、基本的に国債購入を通じて財政赤字の補塡に充当されている。欧米のような巨額投資計画も立案されていないので、このまま貯蓄の増加と財政赤字拡大が続く可能性が高い。

これまでの時代であれば、世界経済に大きな変化がなかったので、何とか現状維持が可能だったが、これからは違う。コロナ危機をきっかけに世界経済の枠組みが大きく変わろうとしていることに加え、産業面においても脱炭素シフトや自動車産業の構造転換など、100年に1度の大変革がめじろ押しとなっている。

各国の将来は、今のタイミングで大型投資を決断できるのかに懸かっているといっても過言ではない。日本はワクチン接種で大幅な遅れが生じるなど目先の対応で精いっぱいな状況だが、時代の変化は待ってくれない。この重要なタイミングで次世代に向けた大型投資に資金が回っていないのは、日本経済の将来にとって大きなマイナス要因となる可能性がある。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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