日本の場合、企業に過剰貯蓄が存在するが、設備投資には回っておらず、基本的に国債購入を通じて財政赤字の補塡に充当されている。欧米のような巨額投資計画も立案されていないので、このまま貯蓄の増加と財政赤字拡大が続く可能性が高い。

これまでの時代であれば、世界経済に大きな変化がなかったので、何とか現状維持が可能だったが、これからは違う。コロナ危機をきっかけに世界経済の枠組みが大きく変わろうとしていることに加え、産業面においても脱炭素シフトや自動車産業の構造転換など、100年に1度の大変革がめじろ押しとなっている。

各国の将来は、今のタイミングで大型投資を決断できるのかに懸かっているといっても過言ではない。日本はワクチン接種で大幅な遅れが生じるなど目先の対応で精いっぱいな状況だが、時代の変化は待ってくれない。この重要なタイミングで次世代に向けた大型投資に資金が回っていないのは、日本経済の将来にとって大きなマイナス要因となる可能性がある。

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