GDPプラス成長でもまったく喜んでいられない満身創痍な日本経済
日米でこれほどの差が生じているのはワクチン接種の違いだが、それだけが原因ではない。アメリカは過去30年にわたって好景気が続いており、十分な基礎体力がある。
一方、日本は同じ期間で事実上のゼロ成長が続き、満身創痍の状態といってよい。コロナ危機のような事態が発生すると体力が弱い国の落ち込みは大きくなり、回復までの時間も長くなる。経済の基礎体力に加えてワクチン格差という致命的な材料が加わったので、残念ではあるが、日本経済の回復には相当な時間がかかると思ったほうがよい。
7~9月期については五輪開催があったとはいえ、感染はむしろ深刻化しており、よい結果は期待できない。とにかく接種が進まないことには消費は回復しないので、今はワクチンの確保に全力を挙げてもらうしかない。
全国知事会はロックダウンを含むより厳しい措置を政府に求めているが、仮にそうした事態になった場合、大規模な経済支援をセットにしなければ日本経済はさらに大きなダメージを受けるだろう。
2024年11月5日/12日号(10月29日発売)は「米大統領選と日本経済」特集。トランプvsハリスの結果で日本の金利・為替・景気はここまで変わる[PLUS]日本政治と迷走の経済政策
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される 2024.10.30
【総選挙】自民党と立憲民主党の「経済/外交/政治改革」の政策比較で分かった「異例」の現象 2024.10.18
総裁選、そして総選挙へ...国民が注目すべき「経済政策」の論点とは? 2024.09.11