コラム

GDPプラス成長でもまったく喜んでいられない満身創痍な日本経済

2021年08月26日(木)18時11分

日米でこれほどの差が生じているのはワクチン接種の違いだが、それだけが原因ではない。アメリカは過去30年にわたって好景気が続いており、十分な基礎体力がある。

一方、日本は同じ期間で事実上のゼロ成長が続き、満身創痍の状態といってよい。コロナ危機のような事態が発生すると体力が弱い国の落ち込みは大きくなり、回復までの時間も長くなる。経済の基礎体力に加えてワクチン格差という致命的な材料が加わったので、残念ではあるが、日本経済の回復には相当な時間がかかると思ったほうがよい。

7~9月期については五輪開催があったとはいえ、感染はむしろ深刻化しており、よい結果は期待できない。とにかく接種が進まないことには消費は回復しないので、今はワクチンの確保に全力を挙げてもらうしかない。

全国知事会はロックダウンを含むより厳しい措置を政府に求めているが、仮にそうした事態になった場合、大規模な経済支援をセットにしなければ日本経済はさらに大きなダメージを受けるだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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