コラム

イスラエル・ハマス戦争は、ウクライナに停戦をもたらすのか?

2023年10月20日(金)17時15分

そして朝鮮半島と決定的に違うのは、ウクライナが東西の国家に分裂するのではなく、東部・南部がロシアにのみ込まれてしまうこと。ロシアが「大きな北朝鮮」となって西ウクライナと対峙する構図が出現する。産業インフラが老朽化して経済力を欠き、核兵器で他国を脅して生き延びるしかないという点で、ロシアは北朝鮮の大型版なのだ。ただ、ロシアは原油を豊富に持つので、北朝鮮ほど困窮することはないが。

全般に優位な今のロシアにとっての不安要因は、イスラエルがシリア、イランを攻撃し、ロシアが助けを求められてウクライナ方面が手薄になること。そして何といっても、プーチンの年齢がロシア男性の平均寿命を大きく超えていることだ。

世界は、その骨組みを失いつつある。米中の両大国とも国外に関与する余裕を失っていることが、その背景にある。その中でロシアが旧ソ連諸国、トルコがカフカスに手を伸ばすなど、大国、準大国による強引な「陣取りゲーム」が始まっている。

日本は浮足立ってはならない。自主防衛力と経済・経営力の向上、自由貿易の原則の堅持に努めていくべきだろう。

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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