コラム

イギリス分断を際立たせるコロナ第2波、当初の結束はどこへ?

2020年10月23日(金)17時30分

僕はエセックス州に住んでいるが、僕の姉は、より緩やかな規制が適用されている数キロ北のサフォーク州に住んでいる。僕の理解が間違っていなければ、姉が僕の家を訪ねるのはルール違反になる......でも、僕が姉の家を訪ねるのは可能だ。

そして僕の妹は、居住地域がまだ「安全」リスト入りしているうちに、夫と3人の小さな子供たちと一緒にフランスに旅行した。妹一家がフランスにいる間にルールが変更されたために、彼らは帰国後、14日間の自宅隔離を強いられた。でも妹一家の上の男の子はフランス家族旅行にはついて行かず、イングランドで僕の両親の家に滞在していた。どうやら、彼は自宅隔離中の家族のもとに自由に帰れたし、家族と一緒に自主隔離する必要もなかったらしい。僕にはいまだにその論理が理解できない。

エセックス州は感染数が上昇してきたために、ティア2に移行した。だが僕の住む町でいえば、イングランド全体の平均より60%も少ない。また、「独自の規制適用」が許されているためにティア1にとどまることができたエセックス州内の別の町よりも、感染数が少ないのだ。

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プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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