コラム

欧米で過激な政党が台頭する本当の理由

2017年03月13日(月)12時00分

重要なのは、これが一時的な出来事では終わらないという点だ。これまでも何年も続いてきたし、今後も続くだろう。そしてスウェーデンの文化とアイデンティティーに甚大な影響を及ぼす。反移民を叫ぶ極右政党のスウェーデン民主党がこんなにも支持を受けているのも、驚くには当たらない。

「極右」政党の支持が高まっているのは、心配な兆候だ。イギリス人の1人として僕は、イギリスの「おめでたい穏健」の伝統を誇りに思う。共産主義であれ極右であれ、イギリスでは過激主義政党は絶対に政権を取るほどの支持は得られない、という伝統だ。

僕にとって、トランプやルペンが大統領になることは、気掛かりな未来に感じられる。ウィルダースはごく普通の人からしても、挑発的な過激主義者に見えるだろう。でもこうした勢力の台頭を許したからといって、僕のアメリカ人の友人と同様、僕はこれらの国の怒れる有権者たちをただ責めることはできない。

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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