コラム

なぜ超大国アメリカは「勝てない」のか――手段が目的を殺す病

2026年04月10日(金)12時08分


整理すると、下図のようになる。アメリカが行政を中心としたアプローチであるのに対して、中国などは国家戦略として一元的に取り組んでいる。

アメリカ症候群

日本も「アメリカという病」に感染している

これまでアメリカを通して世界を認識してきた日本も当然、アメリカ症候群を発症している。能動的サイバー防御には、どこにも中露イランの多層防御システムについての記載はない。採用しないにしてもきわめて重要な敵対勢力なのだから検討していて当然だと思うのだが、話題にもならなかったようだ。


認知戦についてはより深刻で、未だに大失敗したアメリカに追随するような真偽判定などの調査研究が後を絶たない。後を絶たない理由は政府が資金を提供しているからなので、未だに国を挙げてアメリカを通して世界を見ている状況は変わっていない。

もちろん、既存の行政の枠組みを超え、横断的な展開が可能になるような試みも行われているが、ほとんどは成功していない。結果として、どの試みも既存の行政レベルで対処されているように見える。

いまの日本はトランプのように状況を加速する政治家の登場を待っており、もしそのような政治家が国を率いることになれば日本はアメリカを追い越す速度で劣化するだろう。これからの選挙で日本の進路が決まる。

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プロフィール

一田和樹

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表している。『原発サイバートラップ』(集英社)『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)『ネット世論操作とデジタル影響工作』(共著、原書房)など著作多数。X(旧ツイッター)。明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員。新領域安全保障研究所。

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