トランプ関税還付請求権の取引価格、米最高裁判決後に急騰
2月20日、米ワシントンのホワイトハウスで撮影(2026年 ロイター/ケビン・ラマルク)
Timothy Aeppel Laura Matthews
[24日 ロイター] - 米連邦最高裁がトランプ大統領の緊急関税を違法と判断した直後から、輸入業者が米政府に対して将来的に還付金を請求し受け取る権利を売却する際の価格が急騰している。
最高裁は米政府が昨年2月から徴収してきた推定1750億ドルの返還を命じていないが、多くの企業は現在、このような還付を求めるための複雑な法廷闘争になるような事態に向けて準備を進めている。
多くの企業はここ数カ月、自らが将来受け取れる可能性のある還付金の一部または全部を得る権利を額面のごく一部の価格で外部の投資家に売却することで、念のための対策を取ってきた。企業は既に受け取った前払金を保持しており、最高裁の判決を受けて外部の投資家も最終的に返還される金額を全て回収できる立場にある。
市場の買い手や売り手と協力している法曹関係者によると、こうした取引は「スペシャル・シチュエーション(特殊状況)」取引として知られ、広範な市場動向と関連性のない資産であるために投資家にとって魅力的だという。
法律事務所オリックの再建チーム所属の弁護士であるエイミー・パサクレタ氏は判決以降、この不透明な市場に対する関心が跳ね上がり、取引価格が以前の非常に低かった水準から現在は額面の40―50%に急騰しているという。
オリック社は昨年4月に関税が実施された直後から還付請求に対する需要を確認し始めた。
今回の裁判は2種類の緊急関税を対象とした。一つは合成麻薬「フェンタニル」の流入阻止を目指した関税で、もう一つはより広範な「相互」関税だった。一部のアナリストの間でフェンタニル関税が維持される可能性がより高いと見られていたため、以前は安値で取引されていた。パサクレタ氏によると、この2つのカテゴリーの価格は判決のあった20日以降接近している。
買い手は判決前、フェンタニル関税の請求権に16―17%、相互関税に26―28%をそれぞれ支払っていた。
パサクレタ氏は「価格がさらに上がらない理由は不確実性がまだ残っているからだ。トランプ政権は還付に抵抗する意向を示している」と述べた。
掃除機メーカーのビッセルのマーク・ビッセル最高経営責任者(CEO)は23日以降、還付権の売却の可能性について繰り返し打診を受けており、提示された価格は実際に45%まで上昇したと語った。
「(輸入用の)コンテナの取扱量が多いため、社名が多くの人の目にするリストの上位に載っている」と述べた。
しかし、ビッセル氏は今のところ売却するつもりはない。むしろトランプ政権から全額還付されるかどうか成り行きを見守りたいと考えている。「昨年は全然取り返せないとだろうと思っていた。だから、もしも取り返せば、それはボーナスになる」と語った。





