中国で一人っ子政策の責任者が死去、ネットで批判の投稿相次ぐ
12月25日 中国国営メディアによると、一人っ子政策を推進した彭佩雲・元国家計画生育委員会主任(写真)が21日に死去した。写真は2005年6月、北京で撮影(2025年 ロイター)
[北京 25日 ロイター] - 中国国営メディアによると、一人っ子政策を推進した彭佩雲・元国家計画生育委員会主任が21日に死去した。
北京で96歳の誕生日を目前にして亡くなった彭氏は1988─98年に国家計画生育委員会主任を務めた。
国営メディアは女性と子どもに関する政策の運営で「傑出した指導者」だったと称賛したが、国内のソーシャルメディアでは、同氏を批判する投稿が相次いでいる。
人気ソーシャルメディアの「微博(ウェイボー)」には「(一人っ子政策で)失われた子どもたちが、あの世であなたを待っている」との投稿や「もし一人っ子政策の期間があと10年短ければ、中国の人口がこれほど急減することはなかっただろう」との投稿が寄せられた。
同国では1980年から2015年まで、夫婦一組につき子供を一人とすることが義務付けられ、地方当局が女性に中絶や不妊手術を強制した。また、後継ぎのため、男の子が望まれることが多かったため、胎児が女児と分かると中絶されるケースもあった。
ウェイボーには「もし生まれていれば、あの子どもたちは今ごろ40歳近く、人生で最も充実した時期を迎えていたはずだ」との投稿も見られた。
2010年代に入ると、彭氏自身も公の場で一人っ子政策を緩和すべきだと発言するようになった。中国政府は現在、低迷する出生率を引き上げるため、育児補助金、出産休暇の延長、税制優遇などの対策を打ち出している。





