メキシコ・ブラジル首脳が自制と対話呼びかけ、ベネズエラ情勢に懸念
写真はメキシコのシェインバウム大統領。メキシコ市で11月撮影。REUTERS/Henry Romero
Raul Cortes Aida Pelaez-Fernandez
[メキシコ市/サンパウロ 17日 ロイター] - メキシコのシェインバウム大統領とブラジルのルラ大統領が17日、米国とベネズエラの緊張が高まっている事態について、自制と対話を強く呼びかけた。
トランプ米大統領は16日、ベネズエラに出入りする制裁対象の石油タンカーの「全面封鎖」を命じると表明。ベネズエラのマドゥロ大統領が「露骨な脅し」だと反発した。
マドゥロ政権が米国への麻薬密輸に関与していると断定し、カリブ海に航空母艦を派遣するなどベネズエラへの圧力を強化し続けているトランプ政権に対して、マドゥロ氏は米国がベネズエラの石油資源を狙っていると主張している。
こうした中でシェインバウム氏は会見で、対話を訴えるとともに国連にも対応を要請。「国連がその役割を果たすことを求める。国連はまだ何の存在感もなく、いかなる流血も阻止するという役割が想定されているはずだ」と語った。
メキシコはベネズエラへの介入や内政干渉に反対するという立場を繰り返したシェインバウム氏は、米国とベネズエラの交渉や会談の場所としてメキシコを提供する意向も示した。
ルラ氏は「私はトランプ氏の中南米に対する姿勢、(具体的には)威嚇について懸念している」と述べ、今月のトランプ氏との電話会談でも米国がベネズエラと対話するよう促したと付け加えた。
「言葉の力は武力に勝る。私はトランプ氏に『あなたがベネズエラとの話し合いに関心があるなら、われわれは役に立てる。話し合い、忍耐を持つべきだ』と伝えた」という。
国連のグテレス事務総長は報道官を通じた声明で、米国とベネズエラの双方が即時に緊張を緩和するよう求め、両国に対して「国連憲章やその他適用可能な法的枠組みを含む国際法上の義務を順守し、地域の平和を守る」よう要請した。





