原油先物は反発、米・ベネズエラ緊張化による供給途絶懸念で
15日アジア時間序盤の原油先物価格は、週間で4%下落した先週から持ち直している。米国とベネズエラの緊張激化への懸念が、根強い供給過剰懸念やロシアとウクライナの和平合意の可能性よりも意識された。写真はロシアの港湾都市ナホトカ近郊の原油ターミナルで2022年8月撮影(2025年 ロイター/Tatiana Meel)
Yuka Obayashi
[東京 15日 ロイター] - 15日アジア時間序盤の原油先物価格は、週間で4%下落した先週から持ち直している。米国とベネズエラの緊張激化への懸念が、根強い供給過剰懸念やロシアとウクライナの和平合意の可能性よりも意識された。
0055GMT(日本時間午前9時55分)時点で、北海ブレント原油先物は0.25ドル(0.4%)高の1バレル=61.37ドル、米WTI先物は0.23ドル(0.4%)高の57.67ドル。
ニッセイ基礎研究所の主席エコノミストである上野剛志氏は、ロシアとウクライナの和平交渉は楽観と警戒の間で揺れ動いている一方、ベネズエラと米国との緊張は高まっており、供給途絶への懸念が高まっていると指摘。
ただ、市場は明確な方向性を欠いており、供給過剰懸念はなお強いとし、地政学的リスクが急激にエスカレートしない限りWTIは来年初めに55ドルを割り込む可能性があるとの見方を示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、米政権のウィットコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏とベルリンで会談し、欧米による安全の保証が得られれば北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念する用意があるとの考えを明らかにした。
和平合意が成立すれば、現在西側から制裁を受けているロシアの石油供給が増える可能性がある。
一方、ベネズエラの野党指導者マリア・コリーナ・マチャド氏は12日、ノーベル平和賞受賞のために国外脱出した後、政治の変革を約束した。トランプ米大統領は10日、ベネズエラ沖で米国が石油タンカーを拿捕したと明らかにし、緊張が高まっている。





