ニュース速報
ワールド

北半球の森林、炭素吸収から排出に転換も 火災や気温上昇で=国連

2025年11月06日(木)13時04分

ギリシャのペロポネソス半島にあるカラブリタ村の上空で、長引く干ばつにより枯れつつある赤みがかったモミの木々が害虫の被害にさらされている様子が映し出されている。2025年7月9日撮影。ロイター/ルイザ・ゴウリアマキ

Olivia Le Poidevin

[ジュネーブ 5日 ロイター] - 北半球では数十年にわたる森林成長が記録的な山火事と気温上昇により脅かされ、重要な炭素吸収源が炭素排出源に変わる恐れがあるとの報告を、国連が5日に発表した。

ブラジルで開催される国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に先立って国連欧州経済委員会(UNECE)が発表した報告は、欧州、北米、コーカサス、中央アジアの森林で、大気中の二酸化炭素を吸収する能力が低下していると指摘。

現在の傾向が続けば、森林が吸収量を上回る炭素を排出する転換点に達する可能性があると警告した。

北半球には世界の森林の42%超、原生林のほぼ半分が存在するが、火災、害虫、干ばつのリスクが高まっているという。北半球の森林が貯蔵する炭素は世界全体の約半分を占める。

これらの森林は現在、化石燃料や森林伐採による人為的な二酸化炭素排出量の大部分を相殺しているため、転換が起きれば、気温上昇を1.5度に抑制する排出量削減目標を設定したパリ協定の達成に向けた取り組みが損なわれることになる。

UNECEのタチアナ・モルシャン事務局長は声明で「メッセージは明確。われわれが過去30年間に上げてきた成果が今、気候の緊急事態によって深刻な危機に瀕している」と述べた。

報告書は、世界の原生林のほぼ半分を占め、大量の炭素を貯蔵する北極圏の森林の脆弱性を特に強調している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、イラン攻撃の即時停止要請 米・イスラエルに懸

ワールド

米・イスラエル、イラン最高指導者ハメネイ師殺害 翌

ワールド

再送イラン最高指導者ハメネイ師死亡、国営メディア確

ワールド

イラン最高指導者ハメネイ師が空爆で死亡、86歳 米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 2
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 3
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKIが語った創作と人生の覚悟
  • 4
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 5
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 6
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 9
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 10
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中