ニュース速報
ワールド

OPECプラス有志国、1─3月に増産停止へ 供給過剰懸念で

2025年11月03日(月)08時41分

 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は2日の会合で、12月の生産量を小幅に増やす一方で、来年1─3月に増産を停止することで合意した。写真はタタールスタン共和国アルメチェフスク郊外の石油ポンプジャック。2023年6月撮影(2025年 ロイター/Alexander Manzyuk)

Olesya Astakhova Ahmad Ghaddar Alex Lawler Maha El Dahan

[ロンドン/モスクワ 2日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は2日の会合で、12月の生産量を小幅に増やす一方で、来年1─3月に増産を停止することで合意した。供給過剰懸念が高まる中、市場シェアを回復する計画を緩和する。

OPECプラスは4月以降、生産目標を日量約290万バレル(世界供給量の約2.7%)引き上げてきたが、供給過剰が見込まれる中、10月から増産ペースを減速させている。

ロシア石油大手に対する欧米の新たな制裁措置がOPECプラスの戦略にさらなる課題をもたらしている。

有志8カ国(サウジアラビア、ロシア、アラブ首長国連邦、イラク、クウェート、オマーン、カザフスタン、アルジェリア)が合意した12月の増産幅は日量13万7000バレルで、10月および11月と同水準となる。

8カ国は声明で、「季節性を考慮して、2026年1月、2月、3月の増産を一時停止することも決定した」と述べた。

リスタッドのホルヘ・レオン氏は「ロシア石油会社に対する制裁措置は、供給見通しに新たな不確実性をもたらしており、OPECプラスは今過剰生産すれば将来的に裏目に出る可能性があることを認識している」と指摘。

「生産を一時停止することで、価格を守り、結束を印象づけ、ロシア産原油に対する制裁による影響を見極める時間を稼いでいる」と述べた。

また、エネルギー・アスペクツのアムリタ・セン氏は、1─3月は石油の需給バランスが最も悪化する四半期であり、OPECプラスは一時停止により、市場を積極的に管理していることを示していると語った。

有志国の次回会合はOPECプラス全体会合と同じ今月30日に開催される。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

マレーシア首相、1.42億ドルの磁石工場でレアアー

ワールド

インドネシア、9月輸出入が増加 ともに予想上回る

ワールド

インド製造業PMI、10月改定値は59.2に上昇 

ワールド

ベルギー、空軍基地上空で新たなドローン目撃 警察が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中