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アーカンソー州、米リチウム生産拠点目指す 中国との競争など課題

2025年10月31日(金)09時55分

 10月30日、米アーカンソー州が、米国のリチウム生産の拠点を目指している。写真は炭酸リチウム(2025年 ロイター/Carlos Barria)

Ernest Scheyder

[リトルロック(米アーカンソー州) 30日 ロイター] - 米アーカンソー州が、米国のリチウム生産の拠点を目指している。中国との激しい競争や価格低迷、技術的課題に直面しているが、州当局者と業界幹部らは今週、これらの障害は克服可能だと述べた。

米地質調査所によると、アーカンソー州はフロリダ州からテキサス州にかけて広がる地下の地層「スマックオーバー層」の上に位置している。この地層には塩水が充満しており、500万トン以上のリチウムが埋蔵されている。

このリチウムを直接リチウム抽出法(DLE)でろ過できれば、数百万台の電気自動車(EV)用電池やその他の機器を製造するのに十分な量になる。ただ、この抽出法は商業規模で利用された前例がない。

その上、リチウム価格は過去18カ月で80%余りも下落した。中国の競合他社による供給過剰が原因だとされる。

エクソンモービルはリチウム生産計画を少なくとも1年遅らせ2028年とした。これに対し、スタンダード・リチウムやシェブロンなどの各社は、アーカンソーでのDLE実用化を急いでいる。

アーカンソーの州都リトルロックで今週開催された「アーカンソー・リチウム・イノベーション・サミット」には、昨年より15%多い約860人が参加した。

同州のサラ・ハッカビー・サンダース知事はインタビューで「このような大企業が、将来性を感じないのに何億ドルも投資するはずがない」と述べ、DLEの成功に自信を示した。

エクソンのリチウム事業責任者、パトリック・ハウアート氏は「我々は皆、アーカンソー州の競争力を可能な限り高めることを目指している」と述べた。

ロイター
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