アルトマン氏、1.4兆ドルの野心的AIインフラ計画 オープンAI組織再編で
米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO、写真)は、2022年終盤に対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を公開した直後、同社は近く「シリコンバレーの歴史で最も重要な企業」になると断言した、と元従業員2人が証言している。2月3日、東京で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Deepa Seetharaman Krystal Hu
[サンフランシスコ 29日 ロイター] - 米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、2022年終盤に対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を公開した直後、同社は近く「シリコンバレーの歴史で最も重要な企業」になると断言した、と元従業員2人が証言している。
そのアルトマン氏は、オープンAIが28日にマイクロソフトと合意した組織再編で資金調達面の制約を取り払った後、増大を続ける人工知能(AI)需要に対応するインフラ構築に向けたより野心的な計画を打ち出した。
研究開発に軸足を置いていた団体から、最終的には株式上場まで視野に入れる形で資本市場から膨大な資金を確保することが可能な新会社の設立を組み込んだ今回の組織再編は、オープンAIにとって重要な転換点になった。
こうした中でアルトマン氏は28日のライブ配信で、オープンAIが1兆4000億ドルを投じて30ギガワット相当のコンピューティングリソースを開発する決意だと表明。最終的には毎週1ギガワットの処理能力を追加できるようにしたいと発言した。
これは天文学的な規模で、現在1ギガワット当たりの資本コストが400億ドルを超える。アルトマン氏は、時間とともに資本コストは半分になる可能性があると述べたが、具体的な方法には言及していない。
D・A・ダビッドソンのアナリスト、ジル・ルリア氏は「AIは王者の競技だ。アルトマン氏は、AIにおける競争ではオープンAIの事業規模を現在よりずっと大きくする必要があると理解している」と指摘した。
オープンAIは、ソフトバンクグループやオラクルとともに最大5000億ドルを投じて米国にAI向けデータセンターを建設する「スターゲート・プロジェクト」を立ち上げている。
アルトマン氏は、これらの計画は序章に過ぎないと語り、大規模投資を支えていく上でいずれオープンAIの年間売上高は数千億ドルに達する必要があるとの見方を示した。そのためには成長ペースを現在の10倍に高めなければならない。
資金調達の面でアルトマン氏は以前、オープンAIがさまざまな創造的オプションを検討中だと述べている。
ただ最近半導体大手エヌビディアなどと交わした契約は「循環取引」の様相も帯びており、現実よりも高い成長の幻想を生み出しているとの批判が聞かれる。





