米上院、ベネズエラ船舶に対する軍事行動終わらせる措置を阻止

　米上院は８日、ベネズエラの麻薬密売人を乗せたとされる船舶に対する軍事行動を終わらせるための予備的な措置を阻止した。ワシントンで２０１９年１１月撮影(２０２５年　ロイター/Loren Elliott)

Richard Cowan

[ワシントン ８日 ロイター] - 米上院は８日、ベネズエラの麻薬密売人を乗せたとされる船舶に対する軍事行動を終わらせるための予備的な措置を阻止した。

この取り組みは本会議で法案を採決にかけるための手続き上の措置で、民主党のアダム・シフ議員とティム・ケイン議員が主導し、共和党のランド・ポール議員、リサ・マコウスキー議員も賛同していたが、４８対５１で阻止された。

上院軍事委員会の民主党幹部、ジャック・リード議員は「議会の承認を受けずにカリブ海での攻撃に米軍を使用することは、一人の衝動的な意思決定により、地域を不安定化させ、近隣諸国との対立を招き、米軍をまたもや明確な任務も出口戦略もない終わりの見えない紛争に引き込む危険がある」と述べた。

一方、上院情報委員会の委員長で、軍事委員会のメンバーでもある共和党のトム・コットン議員は、トランプ大統領は選挙公約を実行しているだけだと指摘。「トランプ大統領は選挙期間中、必要であれば麻薬カルテルを攻撃すると繰り返し明言していた。攻撃は合法的なもので、極めて限定的だ」と語った。

米軍はカリブ海で、違法薬物を運搬していたとされる船舶に対して少なくとも４回の攻撃を実施しており、直近では１０月３日にベネズエラ沖で行われた。ヘグゼス国防長官によると、この攻撃で少なくとも４人が死亡した。